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現実味を帯びてきた500億円

  • 2020年09月16日(水) 18時00分

想定外に馬券が売れ過ぎているだけに気になることも


 これまで当欄では何度となく今年のホッカイドウ競馬の馬券売り上げがひじょうに好調に推移していることについて触れてきたが、去る8月13日に1日の売り上げとしては前例のない17億円という大記録を樹立して以降も、極めて順調に開催を消化できている。

 地全協発表による今年4月〜7月一杯までの実績は、40日間の開催で242億521万1800円。その後、ホッカイドウ競馬は、第9回門別8月4日〜13日(6日間)が42億3440万5400円、第10回門別8月18日〜27日(6日間)が44億5403万4790円、第11回門別9月1日〜10日(6日間)が37億3302万4490円と推移しており、ここまでの累計が58日間の開催で366億2667万6480円となる。

 ざっくり電卓を叩いただけなので打ち間違いがあるかもしれないが、この時点ですでに昨年の約330億円を大幅に超えており、次に目標になるのは、1991年に樹立した年間454億円の記録であろう。

 あと88億円で、この記録に届く。門別は昨日より第12回開催が始まっており、残すは11月5日まで計24日間である。これまでの366億円を開催日数で割ると、1日当たり約6億3149万円の売り上げとなる。今後、必ずしもこの平均を維持できるとは限らないが、これからホッカイドウ競馬はオーラスに向けて交流重賞が二つ、さらに最終日には道営記念も控えており、さらなる盛り上がりが期待できる。

 今後よほどのことがない限り、数字が大きく落ち込むことは考えにくく、仮に残り24日間を6億円平均で計算すれば、144億円。366億円に144億円を上乗せすると、510億円となる。あるいはもう少し下方修正して、1日5億円平均としても、120億円だから、486億円。今年の爆発的な売れ方を考えれば、まず1日5億円は固いところで、残りの開催を確実に消化できるのであれば、地震や台風などの天災にでも見舞われない限り史上最高の年間売り上げを更新するのは間違いない。

 ここまで来たら、もう少し欲張って、ぜひ500億円の大台に乗せたいという気がする。

生産地便り

今年は爆発的に売れているホッカイドウ競馬


 因みに昨年の9月中旬以降の開催記録を調べてみると、次の通りである。

 第12回門別9月17日〜26日(6日間) 19億5874万円
 第13回門別10月1日〜10日(6日間) 32億4752万円
 第14回門別10月15日〜24日(6日間) 17億6713万円
 第15回門別10月29日〜11月7日(6日間) 33億593万円

 千円以下は切り捨てたが、ざっとこんな数字が並んでいる。第13回門別は、10月10日に交流重賞のエーデルワイス賞が行われたこともあり、売り上げが32億円台になった。また第15回門別は、10月31日に北海道2歳優駿(交流重賞)が、そして最終日には道営記念、ブロッサムカップの二重賞が組まれていたことから、数字が伸びた。

 ただ、第12回と14回の売り上げが伸び悩んでいたのは確かだ。とりわけ第14回の6日間は、いずれも2億円台、3億円台の日が続き、1日平均3億円に届かなかった。

 しかし、これはあくまで、昨年の数字である。コロナ禍による無観客開催が続く今年に限っては、昨年の実績などほとんど関係なく数字が大幅に伸びている。ステイホームを余儀なくされた競馬ファンの多くが、旅行や飲食などの外出を控えたことで、レジャー資金の一部を地方競馬の馬券購入に回した結果なのであろうか。

 売り上げ増の要因がどこにあるとしても、おそらくコロナウイルス感染拡大によってこの結果がもたらされているのは確かだ。

 以前のように多くの観客が入場し、歓声を上げる中で競馬が行われるのはまだ当分先のことだろうが、ホッカイドウ競馬の驚異的な馬券の売れ行きは、たぶん今年がピークなのではなかろうか、という気がする。

 1991年に454億円まで到達したホッカイドウ競馬は、バブル崩壊により、翌年から急激に売り上げを落としていった苦い記憶がある。1992年374億円、1993年333億円、1994年314億円、1995年293億円と下降線を描き、ピークから10年後の2001年には124億円にまで減少してしまった。

 まさかこれと同じ轍は踏まないであろうと思いたいが、想定外に馬券が売れ過ぎているだけに、むしろこの先の将来のことが気になってくる。

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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