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背負う馬の扱いにポイントあり

  • 2006年01月09日(月) 23時49分
 重賞に関するデータを書いていると「書いた途端に例外が…」というケースも少なくないが、一方でピタリとはまることもある。

 予想全体が当たったというわけではないが、昨年出した重賞本の指摘で05年にもきっちり通用したのが、日経新春杯の重ハンデ馬の扱いだ。

 昭和56年から別定戦となっていた日経新春杯がハンデ戦に戻ったのは平成6年のことである。

 それ以降、まず平成14年までの間に57.5kg以上の斤量を課された馬は6頭いたのだが、この6頭はいずれもGIで3着以内の実績があった。そして日経新春杯での成績も[3-2-0-1]と安定していたのである。

 平成15年には一気に3頭が57.5kg以上を背負い、そのうち有馬記念で3着したばかりのコイントスは2着と馬券に絡んだ。エアエミネムは菊花賞3着があったがここでは6着。GIで馬券に絡んだことがないのに57.5kgを背負ったスエヒロコマンダーは11着と大敗した。

 その後はスエヒロコマンダータイプというか、GIで3着以内になっていないのに日経新春杯ではそこそこ背負うという馬が続く。平成16年にはタガノマイバッハが2番人気14着。チアズブライトリーも4番人気で6着と掲示板を外した。

 昨年、平成17年にこのパターンにはまったのはナリタセンチュリーとマイソールサウンド。ともにGI好走のないまま58kgを背負わされ、1番人気9着と5番人気7着に惨敗している。

 どうも、GIIでポンと勝った実績が効いて背負っているタイプは日経新春杯で弱く、GI実績のある馬は斤量を克服できる傾向にあるようだ。

 実はこのコラムを書いているのは先週が変則開催であったため特別登録の出る前。当然ハンデも発表になっていない。よって今年この傾向が適用できるか分からないまま書いているのだが、他のハンデGIIを予想する時も含めて「斤量の原因」に目を向けてみる価値はあるような気がする。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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