斤量条件のためか、かつては前走で上のクラスを走っていた馬が、単純に好成績をあげていたAJC杯。ただ、ここ10年は前走条件戦出走組の連対などもあり、そう単純にはいかなくなりつつある。
まずはその前走条件戦組だが、連対を果たした4頭はそれぞれ4、5、5、5歳。出世の遅れていた若めの馬が、ちょうどこのタイミングで本格化を迎えたということになる。一方、今年の登録馬で前走条件戦に出ていた馬は6、6、7歳。しかも勝ってきたのはトウカイエールだけである。
そのトウカイエールにしても再転入後17戦も消化している身であり、晩成だけでは説明がつかない。この3頭は軽視でいいだろう。
続いて、オープン特別組は過去10年で[0-0-3-14]。今年はニシノサブライムだけが該当するが、やはり苦戦が予想される。
さらに、GIII組の扱い。GIII組は全体だと[2-5-3-34]。頭数が多いだけに、より分け方がひとつのポイントになる。
過去10年、GIII組の連対馬は7頭いるわけだが、実はその7頭は、すべて前走で掲示板に載っていた馬。6着以下だった馬は[0-0-2-22]で連対ゼロである。
今年は登録馬中4頭がGIII組だが、3頭は前走掲示板外。唯一掲示板に載ったメジロマントルにしても今回が初の2000m超戦ということで、△くらいの扱いでいいだろう。
ということは、馬券の中心は、前走でGIかGIIを使っていた馬ということになる。特に有馬記念組2頭の扱いが重要だ。
サンプルを増やすため「平成以降」とすると、有馬記念→AJC杯というローテをとった馬は、のべ32頭。その馬たちを前走着順別に見ると……。
前走2着 [0-1-0-0/1]
前走3着 [1-0-0-2/3]
前走4着 [1-1-1-0/3]
前走5着 [1-0-0-0/1]
前走6〜9着 [2-0-2-6/10]
前走10着〜 [1-2-2-9/14]
以上のように、大敗馬にもそれなりにチャンスがあることが分かる。
今年の有馬記念組はオペラシチーが前走14着、グラスボンバーが前走9着だが、その通り人気に差が出るのであれば、あえてオペラシチーの方から入るのも手だろう。