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中心は前走GI、GII組

  • 2006年01月16日(月) 23時49分
 斤量条件のためか、かつては前走で上のクラスを走っていた馬が、単純に好成績をあげていたAJC杯。ただ、ここ10年は前走条件戦出走組の連対などもあり、そう単純にはいかなくなりつつある。

 まずはその前走条件戦組だが、連対を果たした4頭はそれぞれ4、5、5、5歳。出世の遅れていた若めの馬が、ちょうどこのタイミングで本格化を迎えたということになる。一方、今年の登録馬で前走条件戦に出ていた馬は6、6、7歳。しかも勝ってきたのはトウカイエールだけである。

 そのトウカイエールにしても再転入後17戦も消化している身であり、晩成だけでは説明がつかない。この3頭は軽視でいいだろう。

 続いて、オープン特別組は過去10年で[0-0-3-14]。今年はニシノサブライムだけが該当するが、やはり苦戦が予想される。

 さらに、GIII組の扱い。GIII組は全体だと[2-5-3-34]。頭数が多いだけに、より分け方がひとつのポイントになる。

 過去10年、GIII組の連対馬は7頭いるわけだが、実はその7頭は、すべて前走で掲示板に載っていた馬。6着以下だった馬は[0-0-2-22]で連対ゼロである。

 今年は登録馬中4頭がGIII組だが、3頭は前走掲示板外。唯一掲示板に載ったメジロマントルにしても今回が初の2000m超戦ということで、△くらいの扱いでいいだろう。

 ということは、馬券の中心は、前走でGIかGIIを使っていた馬ということになる。特に有馬記念組2頭の扱いが重要だ。

 サンプルを増やすため「平成以降」とすると、有馬記念→AJC杯というローテをとった馬は、のべ32頭。その馬たちを前走着順別に見ると……。

前走2着   [0-1-0-0/1]
前走3着   [1-0-0-2/3]
前走4着   [1-1-1-0/3]
前走5着   [1-0-0-0/1]
前走6〜9着 [2-0-2-6/10]
前走10着〜 [1-2-2-9/14]

 以上のように、大敗馬にもそれなりにチャンスがあることが分かる。

 今年の有馬記念組はオペラシチーが前走14着、グラスボンバーが前走9着だが、その通り人気に差が出るのであれば、あえてオペラシチーの方から入るのも手だろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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