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有馬記念は“乗り替わり”で臨む馬が信頼できない

  • 2020年12月26日(土) 19時00分
 先週12月20日のWIN5は1318万9660円の高額配当決着。5レース目の朝日杯FS(阪神11R)を単勝オッズ17.5倍(7番人気)のグレナディアガーズが制すなど、小さめの波乱が積み重なりました。

 今秋のWIN5を振り返ってみると、単勝1番人気馬の勝利数は、9月27日から11月1日にかけての6回が平均2.5勝だったのに対し、11月8日から12月20日にかけての8回は平均1.4勝となっています。5回東京や5回阪神の開幕と同時にガラッと“流れ”が変わったのは興味深いところ。本日土曜の12月26日も2073万220円の高額配当が飛び出しましたから、引き続き波乱を警戒しておくべきなのかもしれません。

 明日12月27日のWIN5は総出走頭数が78頭、総組み合わせ数が91万7504通り(土曜12時現在)。1レース目が15時ちょうどに発走予定のフォーチュンC(阪神10R)、5レース目が16時25分発走予定のファイナルS(阪神12R)という変則的な設定です。発売締切時刻は14時55分(JRAダイレクトは14時50分)となりますので、まずはお買い逃がしのないようご注意ください。

【2020年12月27日発売分の1点予想】

阪神10R 14.タイガーインディ
中山11R 9.クロノジェネシス
阪神11R 12.メイショウテンスイ
中山12R 14.アルピニズム
阪神12R 7.ショウナンアリアナ

【1レース目 フォーチュンC(阪神10R)】

 今年の6回阪神ダ1800m、かつ3歳以上のレース(12月26日終了時点)は、前開催に比べると先行力の低い馬が不振。「前走の4コーナー通過順が8番手以下だった馬」は[0-1-2-28]なので、該当馬は評価を下げるべきでしょう。

 チャンスがありそうなのはギャラクシーソウル・ダンツキャッスル・ラインベック・アヴァンセ・カフジキング・タイガーインディあたり。3歳、かつ実績上位のタイガーインディは素直に信頼して良いと思います。

【2レース目 有馬記念(中山11R)】

 GIウイナーを重視した方が良さそう。「“前年以降、かつJRA、かつGIのレース”において1着となった経験がない、かつ“前年以降の菊花賞”において4着以内となった経験がない馬」は2015年以降[0-0-0-44]でした。

 また「“前年以降、かつJRA、かつGI、かつ2400m以上のレース”において4着以内となった経験のない馬」は2015年以降[1-1-0-35]。2200m以下のビッグレースでしか善戦していない馬も強調できません。

 なお「前走の騎手が今回と異なる騎手だった馬」は2015年以降[0-1-2-29]。好走を果たした馬の大半は計画的な参戦で乗り慣れているジョッキーの確保に成功していましたから、いわゆる“乗り替わり”が発生したラッキーライラック・カレンブーケドール・フィエールマンらは過信禁物と見るべきでしょう。

 今年はラヴズオンリーユー・ワールドプレミア・クロノジェネシスあたりが有力。通常の式別ならばラヴズオンリーユーに魅力を感じますが、WIN5はクロノジェネシスをより高く評価した方が良さそうです。

【3レース目 ギャラクシーS(阪神11R)】

 距離適性の高い実績馬や、前走好走馬が強いレース。「“同年、かつJRA、かつオープンクラス、かつ1400mのレース”において3着以内となった経験がない、かつ前走の着順が6着以下だった馬」は2017年以降[0-0-0-19]と苦戦しています。

 さらに「馬齢が6歳以上の馬」は2017年以降[0-1-0-18]。ダイメイフジ・デザートストーム・サヴィなどの高齢馬は扱いに注意すべきかもしれません。

 面白そうなのはヴァニラアイス・メイショウテンスイ・スマートセラヴィーあたり。この中から一頭選ぶならば、やはり3歳のメイショウテンスイでしょうか。

【4レース目 ハッピーエンドC(中山12R)】

 ほぼ同じ条件で施行された2013〜2016年のハッピーエンドCと2017〜2019年のクリスマスCは“別路線組”がいまひとつ。「前走のコースが芝1200mのコース以外だった馬」は[2-1-0-35]と安定感を欠いていました。フェルミスフィア・ヴェルスパーらは評価を下げたいところです。

 注目はラキ・コスモアンジュ・キーダイヤ・アルピニズムあたりの3歳勢。休養明け2戦目のアルピニズムは特に期待して良いと思います。

【5レース目 ファイナルS(阪神12R)】

 阪神芝1200m内で施行された2019年を含め、内外極端な枠に入った馬は苦戦続き。「枠番が1〜2枠の馬」は2017年以降[0-0-0-10]、「枠番が7〜8枠の馬」は2017年以降[0-0-0-14]と、それぞれ上位に食い込めていません。ガゼボらは過信禁物でしょう。

 あとは脚質も明暗を分けそう。「前走の4コーナー通過順が4番手以内だった馬」は2017年以降[0-1-0-16]と期待を裏切りがちでした。メイショウチタン・レノーアなど、先行力の高さを活かしたいタイプのみに絞り込むのは危険です。

 シャイニーロック・イーサンパンサーあたりも侮れませんが、より強調できるのはショウナンアリアナ。今回はコース替わりもプラスに働くと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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