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【日経新春杯予想】若くて勢いのある馬が勝つレース!

  • 2021年01月11日(月) 18時00分

■日経新春杯(GII・中京芝2200m)フルゲート18頭


★3行でわかる! 日経新春杯 攻略の糸口

1.4歳馬が非常に強いレース。前走ひとケタ着順ならば◎
2.ハンデ55キロ以下の牡馬が7勝。末脚のキレも超重要。
3.波乱傾向が強いコースで、勝率が高いのは中〜外枠。

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 開催競馬場だけでなく、距離まで変わる今年の日経新春杯。傾向もガラッと変わりそうで、過去のデータが役立たずになる可能性は高い。そう断りを入れた上での話となるが、このレースにおける4歳馬の強さはかなりのもの。前走ひとケタ着順の馬に限れば[8-4-1-14]で勝率29.6%、連対率44.4%という、とんでもない信頼度の高さとなる。

 そして、ハンデについて。斤量を「背負った組」が強いケースが多いのだが、日経新春杯での成績はイマイチ。対照的にハンデの軽い馬は絶好調で、ハンデ55キロ以下の牡馬が過去10年で7勝もしている。あまり実績はないが若くて勢いがある──といったタイプが、いい結果を残す傾向にあるレースといえるだろう。

 過去のレースデータと今回のコースデータで共通するのが、瞬発力の要求度が高いこと。勝ち負けには、決め脚の鋭さが高いレベルで要求されてくる。あとは、けっこう波乱傾向が強いコースであるのも、覚えておきたいポイント。例年は堅く決まっているレースだが、今年に関しては波乱決着となる可能性が十分にある。

 コースデータからは、内枠は「複勝率と複勝回収値が高い」傾向が、中〜外枠については「勝率と単勝適正回収値が高い」という傾向も見られる。フォーメーションを組み立てる際には、この点にも留意すべきだろう。現時点で出走の意向が把握できている馬に、データ面から強くプッシュできるような存在が見当たらないため、データ特注推奨馬は「ナシ」となった。

【コース総論】中京芝2200m Aコース使用

・コースの要所!

★人気薄の激走率が高めのコース。思いきった穴馬を1着で狙う馬券もアリか。
★内枠は複勝率は高いが勝率は低め。単勝を買うならば中〜外枠がオススメ。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。決め脚の鋭さが高いレベルで要求される。





 中京芝2200mで重賞が行われるのは、昨年の神戸新聞杯に続いて今回が2回目。その神戸新聞杯は、1着コントレイル、2着ヴェルトライゼンデまでは堅かったが、3着には14番人気のロバートソンキーが飛び込んできた。ホームストレッチをフルに使う形態で、最初のコーナー進入までに十分な距離があるので、枠番の内外による成績差は基本的に出づらいコースといえる。

 そのわりに目立っているのが、人気薄の強さ。3番人気以内馬はトータル[9-13-6-38]と、1着よりも2着のほうが多いという不甲斐ない結果に終わっている。人気サイドの勝率が低めなので、当然ながら波乱傾向が強く、思いきった穴馬を1着で狙うような馬券も買いやすい。人気別成績から推測するに、7〜9番人気がいちばんオイシイだろう。

 枠番は、基本的にはフラットに近い。ただし、内枠は「複勝率と複勝回収値が高い」という傾向、中〜外枠は「勝率と単勝適正回収値が高い」という傾向にあるのは、覚えておいたほうがいいだろう。人気薄を1着で狙うならば、中〜外枠のほうがベターということになる。データ母数が少ないゆえの偏りかもしれないが、こういう「クセ」を持ったコースである可能性も十分ある。

 脚質面は、先行勢と中団待機組の成績が拮抗。ただし、最速上がり馬の強さはかなりのものだ。勝率については中団待機組のほうが高いことから、やや差し優勢という捉え方がおそらく適切。最後の直線が長く、さらに急坂も設けられているコースでもあり、決め脚の鋭さが高いレベルで要求されるのだろう。

【レース総論】日経新春杯(GII) 京都過去10回

・レースの要所!

★基本的には人気サイドが強いレース。穴なら10〜12番人気を狙っていきたい。
★中京開催の今年も瞬発力はかなり求められてきそう。4歳馬の強さも目立つ。
★菊花賞や有馬記念など「前走でGIに出走していた距離短縮組」の勝率が高い。
★ハンデ戦だが大敗からの巻き返しは期待薄。ハンデが軽い馬の一発もあるか。










 過去10年はすべて京都で開催されている日経新春杯だが、今年は中京での開催。しかも今年は芝2200m戦と、距離まで例年とは異なっている。過去のレース傾向とはまったく違う結果が出る可能性が非常に高いので、当欄で掲載しているデータの過信は絶対に禁物。参考程度に思っていただきたい。

 まずは人気別成績。1番人気が[4-3-1-2]と優秀な結果を残しているように、基本的には人気サイドが強いレースだ。馬券に絡んだ馬の過半数が3番人気以内で、馬連平均配当は2243円、3連複平均は9493円という低さ。穴ならば4〜6番人気や7〜9番人気ではなく、思いきって10〜12番人気を狙ってみるのが面白そう。波乱傾向が強いコース条件に替わるのもあって、なおさらここに期待したくなる。

 次に脚質面だが、目立っているのが最速上がりをマークした馬の強さ。[5-2-2-3]で連対率58.3%、複勝率75.0%、複勝回収値165という内容は、高く評価できるものだ。また、瞬発力の要求度が高いというのは、コースの傾向にも合致する。さすがに後方に置かれると厳しいが、中団から速い上がりを繰り出せそうな馬は、人気薄であっても積極的に狙っていきたい。

 今年の結果にも大きく関わってきそうなのが、年齢別成績。というのも、日経新春杯は「4歳馬が飛び抜けて強いレース」だからである。4歳馬は[8-4-1-20]と連対馬の過半数を占めており、回収率の高さも文句なし。次いで5歳馬、6歳馬という順番で、7歳以上馬はトータル[0-0-0-41]と全滅している。よってここは、若くて勢いのある馬を買うべきレースという結論となる。

 前走クラス別成績からは、6勝をあげている前走GI組の強さに注目。なぜか2〜3着は非常に少ないのだが、勝率や単勝適正回収値の高さは十分だ。前走でオープン特別に出走していた組は不振だが、前走条件戦組は意外に侮れない。ここで勝負になるだけのポテンシャルがあると陣営が踏んでエントリーしてきた場合には、実績的には格下であっても、しっかりマークしておく必要がある。

 有馬記念組や菊花賞組が強いということは、当然ながら「距離短縮組が強い」ということでもある。ただし、今年は芝2200m戦なので、例年よりは距離延長組が成績を伸ばせる余地がありそうだ。また、前走大敗からの巻き返しがきかないというのも、このレースの大きな特徴。前走10着以下馬は全滅に近い惨状で、前走での着順がおおむね今回の着順にもつながる傾向が見てとれる。

 ハンデ戦は基本的に「背負っている組」のほうが強いものだが、ハンデ55キロ以下の牡馬が7勝しているように、日経新春杯にこのパターンには当てはまらない。56キロ以上を背負った牡馬はトータル[2-0-3-14]で複勝率26.3%、複勝回収値37という不甲斐ない結果に終わっている。とくに1着候補に関しては、ハンデが軽めの馬を重視したい。

 最後に騎手関連データだが、こちらは継続騎乗組のほうがやや高信頼度であることや、外国人騎手の強さが目立つ程度。とはいえ、短期免許で騎乗する外国人騎手がいないとなると、これもアテにはしづらいか。

【血統総論】


 血統面からは、ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒、ディープブリランテ産駒をプラス評価の対象とした。とくに注目したいのが、回収値が非常に高いハービンジャー産駒。信頼度はそう高くはないが、これだけの出走数があってギャップ値が大幅プラス、複勝回収値124という数字は、そうそう出せるものではない。人気薄での一発が期待できる種牡馬として、ぜひ覚えておきたいところだ。

★出走予定馬 総論×各論

 現時点で出走の意向が把握できているのは12頭と、フルゲートを大きく割り込む頭数での開催となるケースもありそうだ。人気を集めそうなのは、「未完の大器」アドマイヤビルゴや、中日新聞杯で久々にターフに戻ってきたヴェロックスだろうか。それ以下となると、どの馬がどの程度の人気になるのかすら読みづらい、大混戦である。

 気になるのが、逃げ・先行勢の少なさだ。現時点でハッキリ前に行きそうなのは、ダイワキャグニーくらいのもの。超スローの流れもありえる組み合わせで、最後の直線での上がり勝負となる確率はかなり高そうである。好位〜中団やや前あたりのポジションが取れて、その上で鋭い末脚を繰り出せるような馬を重視したい。

 ハンデという重要な予想ファクター「抜き」での評価となるが、現時点でのトップ評価はアドマイヤビルゴ。昨年の秋に3勝クラスとオープン特別を連勝して、その素質の高さを改めて証明してみせた。「前走ひとケタ着順の明け4歳馬」という条件に該当する唯一の存在で、ハンデも重くはならないはず。前走オープン特別からのローテが大不振という点がネックだが、今年のメンバー構成ならば何とかなりそうだ。

 二番手評価にヴェロックス。長期休養からの復帰戦となった中日新聞杯は3着という結果だったが、ひと叩きされた効果で、デキは確実に上向く。勝ちきれないタイプだけに1着では狙いづらいが、上位には食い込んできそうだ。問題はハンデで、おそらく57キロ前後が課せられるはず。軽ハンデ牡馬の活躍が目立つレースだけに、これがどう出るかは微妙なところだろう。やはり、ヒモで狙うのが得策か。

 三番手評価にワセダインブルー。初の重賞挑戦となった前走の福島記念は、勝ったバイオスパークから0秒5差の6着という結果だった。昇級戦としては上々といえる結果で、今回もハンデは前走と同程度となるはず。後方に置かれすぎると厳しいが、うまく中団で流れに乗れれば面白い。一発があるハービンジャー産駒というのも魅力的だ。

 四番手評価にダイワキャグニー。過去10年で一度も馬券に絡んでいない7歳以上馬であるのは大マイナスも、展開的にかなり有利なのは前述したとおり。去勢から2戦を消化して、その効果が出てきそうなタイミングでもある。実績馬でハンデを背負いそうな点も課題となるが、好走できて何の不思議もないプロフィルの持ち主である。

 以下は、サンレイポケット、サトノソルタス、ナイママ、クラージュゲリエという評価順だが、このまま買うとかなり堅い配当となりそう。波乱傾向が強いコースであるのを考えると、買い目はもう少しひねったほうがいいだろう。7〜9番人気あたりが上位に食い込んでくるイメージで、枠番やオッズが出てから買い目を再検討したい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



まあ覚悟の上だけんども(#^ω^)ビキビキ

どんなに不利な枠番に入ろうとも、トップ評価馬は買うのが当欄の基本ルール。それで的中率が下がっている側面があるワケですが、誰かに何か意見を述べる上での「覚悟」というのは、やはり必要だと思うのであります。

で……案の定、トップ評価の17バイオスパークは大外からでは厳しく、タテ目の09-03で決まってアイタタタ(頭痛)。財布のダメージに耐えられなくなりつつあるので、何かいい手はないかと模索したいデスネ。複勝じゃ面白くないしなあ……ブツブツ。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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