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“逃げ”の一手で勝負 ニホンピロマリブの梅花賞を最速回顧

  • 2021年01月19日(火) 18時01分
先週末は、中京で8鞍に騎乗。なかでも注目を集めたニホンピロマリブですが、デビュー以来初めて逃げの手を打ち、僅差の3着に粘り込みました。「ものすごく勝ちたかった…」と悔しそうに振り返った小牧騎手。今週の『太論』では、同馬への思いも含め、先週の競馬をじっくりと振り返ります。また、今週末は土日ともに小倉へ。2021年初のトップゴールに期待大!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

早く片目を開けたい! 今週末は楽しみな馬たちと小倉へ


──梅花賞(1月17日・中京9R・3歳1勝クラス・芝2200m)のニホンピロマリブは、デビュー以来初めてとなる逃げる競馬で3着。ハナに行くというのは、もともと選択肢のひとつだったのですか?

小牧 うん。今回勝ったディープモンスターには、前回のエリカ賞でも負けたからね(前走のエリカ賞では、ディープモンスターが2着、ニホンピロマリブが4着)。しかも、僕の馬が直線で外に膨れて、邪魔をしてしまった上で負けたから。だから、マークするような競馬では、勝てへんと思ってね。それで逃げを打ったんですわ。楽に行けたんやけどなぁ。

──初めての逃げる競馬で、馬に戸惑いはありませんでしたか?

小牧 ちょっとフラフラしていたけど、逃げたからとかではなく、まだ子供なんやと思う。そんな状態でも、強いメンバーを相手にコンスタントに走ってくれているからね。

──今回も4着以下には5馬身差。これまでの成績を見ても、ポテンシャルの高さは疑いようもないんですけどね。

小牧 うん。だからとにかく無事で行ってほしい。今回もものすごく勝ちたかったけど、無事に行ってくれさえすれば、絶対にチャンスはあるはずやから。

──レース内容など、今後の展望みたいなものはありますか?

小牧 メンバーを見て、その場その場でベストを考えながらやっていきますわ。折り合いは問題ないし、どんな競馬でもできると思うから。

──続いて振り返っていきたいのは、叩き2戦目となったフレッシュステージ(1月16日・中京7R・4歳上1勝クラス・ダ1200m)。前走13着から大きく着順を上げてきましたね(6着)。

小牧 うん、頑張ったけどね。ちょっとカラ馬に絡まれて…。あれはビックリしたわ。誰が突っ込んできたんかなと思って、ちょっと締めにいったんやわ。普通なら入ってくるところじゃないからね。そうしたら吹き飛ばされたもんね(笑)。あれでエンジンが掛かってしまった。

──入ってこられて、カラ馬だと気づいたんですね。

小牧 そうそう。和田くんが落ちたことは全然知らんかったから。でも、ああいうことがあったわりには頑張ってくれたね。もともとタメる競馬をしようと思っていて、最後まで伸びてくれた。

──一度叩いたことで、確実によくなっている感じですね。

小牧 そうやね。本音を言えば5着はほしかったけど。まぁ500万ではすぐにチャンスがありそうや。

──ほかに変わってきそうだなと思った馬はいますか?

小牧 8着やったけど、コパノピッチング(1月17日・中京1R・3歳未勝利・ダ1200m)はいい馬やわ。せっかくゲートを出たのに、ちょっと前をカットされて位置取りが悪くなってしまった。あれは悔しかったね。あと、新馬のキーストーリー(1月17日・中京4R・3歳新馬・ダ1800m・7着)は、使いつつ良くなるタイプやなと思った。背中はいいから、使っていくうちにもっと走れるようになると思う。

──そういえば、セレッソフレイム(1月16日・中京4R・3歳1勝クラス・ダ1400m・12着)は何かアクシデントがありましたか?

小牧 いや、何もないよ。前回もそうやったけど、気持ちが切れてしまってるわ。もう完全に止めてしまっている。本来ならば、タイムオーバーになるような馬じゃないからね。

──そうですよね。

小牧 うん。ケツからケツという無様な競馬はしたくなかったから、気合いを入れて位置を取りに行ったんやけど、行かんかったわ。あんなに負ける馬じゃないから、一度リフレッシュして改めてやね。

──今週はドルチェリアが土曜日の小倉メイン(4歳上2勝クラス・小倉城特別・ダ1700m)に登録しています。

小牧 うん。小倉の1700mは合うからね。疲れさえなければ、いい競馬ができるはず。今週は土日とも小倉に行きます。日曜日は、吉田厩舎のキクノクライフに乗る予定。土日ともに期待できる馬がいるから楽しみや。早く片目を開けたいね。1カ月に1勝と考えたら、あと2週しかないもんね。

──では、最後に質問をひとつ。「昨年から内田博幸騎手の活躍が目立っています。同じ50代として、意識したり注目したりしていますか?」という質問です。

小牧 注目してるよ。僕だけじゃなく、みんな注目してるでしょう。同世代としてたぶん一緒の気持ちやから、内田くんの活躍は刺激になるね。

──同世代ならではの話などしますか?

小牧 いや、そういう話はしないけど、内田くんとは昔から会えばよう喋るよ。もともと彼は話好きやから(笑)。そういえば、何年か前にイベントをやったとき、ゲストとして来てくれたのが内田くんやった。そういう催しも当分できへんね。またやりたいなぁ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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