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【AJCC・東海S・若駒S予想】今週は実力馬が集う東西2重賞に加え注目の出世レースも!出走予定馬の調教を分析!

  • 2021年01月20日(水) 18時00分

“コントレイル世代”の仕上がりは…!?


 先週から開幕した小倉競馬。土曜3歳未勝利の芝1200mで1分7秒1の時計には驚きましたが、午後の虹の松原Sでは後方からの差し切りで芝1800mが1分46秒2。距離によって脚質の有利不利があるのかも知れませんが、基本的にはイン有利外ロスの傾向ではないかと。これはいつもの年明け開催の小倉ですから、先週に引き続き、大物ヒットを狙った調教適性で予想していきたいと思います。

 重賞は中山と中京。AJCCは3歳クラシックで上位入線、上位人気した馬たちが集結。1週前追い切りの動きで注目したのはウインマリリン。冬毛を刈り込んでいますが、体調はよほど良いのでしょう。あれだけの距離を追走しながら、最後はきっちりと追いつくのですから、秋華賞時とはまるで別馬。ただ、あれもこれもと評価すると馬券の組み立てが難しくなりそうなレースではあります。

【若駒S/レヴェッツァ】

 netkeiba.comの予想オッズでは8頭中5番人気。前走未勝利勝ちですから、そうなるかなとは思いますが、ポテンシャル的にはオープン特別でいきなり通用と思える器。瞬発力勝負だった新馬戦では切れ負けして、長く脚を使う展開になった前走で2着3着に差をつけたあたりにクラスが上がってこその上積みを感じます。

 今回は中6週ですが、しっかりと乗り込んだ調教本数。最終追い切りは池添謙一騎手が跨るCWでの併せ馬でしたが、ディヴァインラヴにちょっと追いつきそうにないところから、力強く追われての先着。6F85.6〜5F69.5〜4F53.9〜3F39.2〜1F11.9秒は前半ゆっくりだった分、時計が遅くなった形ですが、最後はしっかり伸びています。ここで好走するようなら、皐月賞でも期待。そう思っていますが、果たして。

レヴェッツァ

力強く追われてしっかりと伸びたレヴェッツァ(写真中央、1月20日撮影)


【AJCC/アリストテレス】

 コントレイルの無敗三冠を最も脅かした菊花賞。4コーナーがあの位置取りでメンバー最速上がりをマークできる、長くいい脚を使えるタイプです。中山芝2200mという舞台設定はぴったりだと思いますが、気になるのは、プリンシパルSが454キロで6着だったこと。ひょっとしたら輸送が、とも思いますが、出雲崎特別で12キロ馬体重を増やして勝ったことを思えば、特に気にすることもないかも知れません。

 レース間隔があいた今回ですが、乗り込み量としては十分。1週前追い切りCWでの併せ馬では遅れていますが、引き離されたわけではなく、この馬らしい遅れにも見えました。最終追い切りは先行したこともあって、同じ相手に先着。ゴール前で相手が前へ出て差し返すような場面がありましたが、やっぱり瞬時の加速には遅れてしまいます。ただ、これはキャラだと思いますから、調子が悪いというわけではありませんし、むしろ先週よりも動けています。

アリストテレス

先週より動きが良くなったアリストテレス(写真手前、1月20日撮影)


【AJCC/ヴェルトライゼンデ】

 前走菊花賞の最終追い切りでは、初めて最終追いとして併せ馬に遅れましたが、その結果が7着。やはり、1週前追い切りも最終追い切りも併せ馬で先着することが好調不調を判断する指標になるのでしょう。そういった意味では、今回の1週前は目一杯に追われたとはいえ、最後はきっちり先着。どうやら、このひと追いの効果は大きかったようです。

 というのも最終追い切り。CWでサトノルークスとの併せ馬でしたが、これを5馬身近く追いかけて、最後はきっちりと先着。時計も6F82.3〜5F67.1〜4F52.3〜3F38.3〜1F12.3秒と速く、休み明けの仕上げという印象は全くありません。さあ、この状態で菊花賞で先着された馬たちに今度は先着できるかどうか。

ヴェルトライゼンデ

併せ馬できっちりと先着したヴェルトライゼンデ(写真中央奥、1月20日撮影)


【東海S/インティ】

 前走チャンピオンズCはさすがのレースぶりで3着。クロス鼻革を外したことで、どんなレースになるのか注目していましたが、現状では馬具なしで気持ちのまま走ることがベストパフォーマンスを発揮できるんだと思います。

 今回も前走と同じ最終追い切りはCWでしたが、前走との違いは単走。時計的には6F83.9〜5F68.4〜4F53.4〜3F38.6〜1F12.9秒なので、前走よりも少し遅くなったかなという程度。ちょっと気になったのは、他厩舎の馬がいたところでスッと交わしていくことができなかったあたり。まあ、交わす必要もなかったのですが、ラスト1F標識手前の勢いなら交わしそうな勢いだっただけに、そこだけはちょっと気になっています。

インティ

今回は単走で最終追い切りを行ったインティ(写真中央、1月20日撮影)


【東海S/ダノンスプレンダー】

 デビュー戦を勝った時に「後々は重賞で活躍できるような馬になると思います」と安田隆行調教師が話していましたが、前走でオープン特別を勝ち、いよいよそのチャンスが巡ってきたといったところでしょう。中京ダートは3走前のシリウスSで4着でしたが、これが重賞初出走。その経験も活かすことができそうな今回です。

 中1週ということで、追い切り自体は軽め。500キロを超える大型馬とはいえ、初めてになるローテーションを考慮すれば、この時計が妥当なのかなと思います。ただ、この調整にローテの兼ね合いが合うか合わないかは今回ではっきりするところ。軽視はできないものの、重視してしまうのもどうかとは思います。

◆次走要注意

・1/17 京成杯【テンバガー】(6人3着)

 約5ヶ月ぶりのレースで追い切りが5本。にもかかわらず、馬体重が4キロしか増えていなかったように、現状ではなかなか強い追い切りを課すことができない状況です。それでも3着したあたりがポテンシャルの高さ。中身ある調教をこなして出走してくれば、重賞を勝ち負けするだけの能力があります。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]追い切り本数が標準で最終追い切りがトラック馬場で併せ馬先着なら勝ち負け。

◆開催おすすめの調教適性

<小倉ダート1700m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で3F目12.5秒以下のラップ

 先週と同じ調教適性になりますが、1月24日のメインレースが再びこの条件なので、取り上げさせていただきました。ちなみに先週の門司Sは調教適性が◎○○の決着で3連複7560円。該当馬は5頭しかいませんでしたから、回収率としてもかなり高い内容だと思っていただいてよいと思います。

 そして、今週末は雨の天気予報。昨年の早鞆特別は◎該当の3頭で3連複58090円という配当。とにかく今週の小倉ダート1700mはこの調教適性で攻めてみてください。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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