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【高倉稜騎手】「一緒に戦ってくれた馬たちのために、僕が腐るわけにはいかない」/ 東西注目騎手

  • 2021年01月25日(月) 18時01分
今週のface

▲「僕が腐るわけにはいかない」高倉騎手のブレない信念とは (C)netkeiba.com


2021年の中央競馬が始まって早1か月。ベテラン騎手も若手騎手も、昨年好調だった騎手も不甲斐なさを感じた騎手も、横一線でのゼロからのスタート。そこで、スタートダッシュを決めた東西のジョッキーをそれぞれ直撃します。

栗東からピックアップするのは高倉騎手。もともと技術力に定評のある高倉騎手ですが、ここ数年は成績面で苦しみ、2年連続での一桁勝利。しかし、今年は開催3日間で3勝を挙げるというド派手なスタートを決めました。変化の要因はなんなのか、高倉騎手の“今”に迫ります。

(取材・文=不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で行いました

「記事は、僕ではなく馬たちを主役にしてください(笑)」


──2021年の競馬を初騎乗初勝利で飾り、開催3日間で7戦3勝2着1回。勝率42.9%、単勝回収率も2000%超と、今年はド派手なスタートダッシュを決めましたね。

高倉 6日にトレセンに行ったら、いろんな人から「おめでとう」と声を掛けていただきました。でも、「調子がいいね」とか言われるのは、正直苦手です(苦笑)。競馬は馬ありきですし、勝てたのも馬が頑張ってくれたおかげなので。だから今回のインタビューも、僕ではなく、馬たちを主役にしてください(笑)。

──わかりました(笑)。高倉騎手らしいですね。とはいえ、注目されることは悪いことではないと思いますよ。

高倉 そうですね。たくさんの人から声を掛けられて、ちょっとは目立つことができたのかなとは思いました。年明けは全員がゼロからのスタートなので、そこでいい結果を残すと目立ちますよね。だから、その年の成績を左右するというか、一番のきっかけになるような気がずっとしていたので、いいスタートが切れたことは素直にうれしいです。

──まさにそのきっかけを作ってくれたと言えるのが、1月5日の中京1R(3歳未勝利・ダ1800m)を逃げ切ったテイエムマグマ(4番人気)。デビュー以来、7戦すべてで手綱を取っている馬ですが、逃げる競馬を選択したのは初めてでしたね。やはり狙いすました戦略だった?

高倉 はい。もともと前進気勢の強い馬ではなかったので、杉山先生と相談して11月のレースからブリンカーを着けたんです。そのおかげで、だいぶハミをしっかり取って走れるようになってきていたので、どこかでハナに行くレースをしたいなと思っていました。

 ただ、あまりスタートが速くないので、枠順や頭数、同型馬との兼ね合いなどを見計らっていたのですが、年明けのメンバーは、これといって主張してきそうな馬がいなかったので、スタートさえ決まれば迷わずハナに行こうと決めていました。

──年明け一発目から、読みがハマったわけですね。

高倉 そうですね。スローで行けましたし、正直、4コーナーの時点で「これで負けたら仕方がない」という競馬ができたなと。ハナに行けた時点で、けっこう勝てる自信はありましたね。

今週のface

▲新年最初の騎乗が会心の勝利に (C)netkeiba.com


──ずっと乗ってきたからこそ選択できた戦略とあって、気持ちのいい勝利だったのでは?

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