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【安田記念・鳴尾記念予想】春のマイル王決定戦に挑む調整過程が魅力的な1頭とは!?

  • 2021年06月02日(水) 18時00分

大きなポイントになるグランアレグリアの取捨


 先週の日本ダービー。◎シャフリヤールがゴール前で見事に無敗の皐月賞馬を捕まえて、ダービー馬となってくれました。そのおかげで、予想は的中。予想の頭脳では「エフフォーリアではなくシャフリヤールに◎を打てるようになる方法」と、私がウマい馬券で書いた内容を取り上げてくださっています。

 さて、今週は安田記念。グランアレグリアの取捨が、大きなポイントになると思いますが、個人的に気になるのは、中2週のローテーションよりも、最終追い切りが美浦坂路で行われていること。最終追い美坂でも好走実績はありますが、このタイミングでの最終追いの変更をどう捉えるか。週末まで、ちょっと悩むことになりそうです。

【鳴尾記念/ヒンドゥタイムズ】

 前走大阪城Sでオープン勝ち。ここまでコーナー4つの2000mにこだわって使われてきただけに、ワンターンでの1800mを勝ったあたりに大きな価値があるような気がします。そこからレース間隔があく今回ですが、オープンになってからは常に中9週以上の間隔をあけて使われているだけに、久しぶりというのは、むしろ好走パターンと判断してよいでしょう。

 ただ、今回気になるのは追い切り本数。これは過去4戦と比較して、最も少ない本数です。ちなみに前走大阪城Sは10本の追い切り。全体的な時計の出方もやや遅い数字になっていますし、最終追い切りはCWで単走だったこともありますが、少しこじんまりと見えて、時計も6F84.5〜5F67.3〜4F52.2〜3F38.0〜1F12.3秒とごく平凡。今回はさすがに高い評価、というわけにはいきません。

調教Gメン研究所

ヒンドゥタイムズは追い切りからは強調できない(6月2日撮影)


【鳴尾記念/ブラヴァス】

 金鯱賞と大阪杯での大敗。いずれも馬場を敗因にすることができそうですが、個人的には前走時の最終追い切りがCWでラスト1Fが14秒近い、止まったような動きになったことが大きく関係していると思っています。それだけに今回の追い切りの内容にも注目していましたが、1週前追い切りのCWでの併せ馬はあまり褒められたラストの動きではありません。

 だからというわけでもないのでしょうが、今回の最終追い切りはDPで単走。気分よく走ることはできていたと思いますし、時計は6F80.8〜5F65.4〜4F50.6〜3F36.2〜1F12.3秒。このくらいの時計で好走した実績もありますし、決して印象が悪い動きというわけでもありませんが、近2走を払拭できるくらいに変わってきた、というところもない感じはします。

調教Gメン研究所

ブラヴァスは追い切りから大きな変わり身は感じられない(6月2日撮影)


【安田記念/インディチャンプ】

 ローテーションとしては、阪急杯(中8週)の時と同じようなレース間隔になりますが、当時と今回では追い切りの動きについて、全く違います。これについて、音無秀孝調教師は「牧場から戻ってきた時の馬体重が全然違う」と明確な理由を教えてくれます。阪急杯の時は太目が残っていたこともあり、2週前追い切りがCWでしたが、今回は坂路。この違いが順調さを示しています。

 最終追い切り坂路での時計は4F51.8秒。ですから、過去2回の安田記念の最終追いと同じような数字になります。師が「この馬は可愛がると良くない」と話していたように、最終追いでも併せ馬を課しましたし、きっちりと先着。この調教内容なら、今年も好走できる状態にあると見てよいでしょう。

【安田記念/ラウダシオン】

 前走京王杯SCは最終追い切りが15-15かな、と思うくらい軽い内容。ただ、これは意図されたもので、その結果、競馬ではいつもより落ち着いた状態でレースに出走することができ、勝利という結果を出すことができました。それだけに中2週とレース間隔が詰まる今回はどんな調整をしてくるのか注目していました。

 まず驚いたのは、前走後にノーザンFしがらきへ放牧に出していること。中2週というローテーションではなかなか画期的なチャレンジだと思うのですが、それを経て、1週前追い切りは金曜日、最終追い切りは水曜日という2本。最終追いはCWで6F86.4〜5F71.0〜4F55.7〜3F41.2〜1F13.2秒。すごくメリハリのついた調整スケジュールが魅力的に思えます。

調教Gメン研究所

メリハリのある調教スケジュールをこなしているラウダシオン(6月2日撮影)


【安田記念/ダノンプレミアム】

 昨年の12月香港以来のレースとなりますが、安田記念自体は過去に二桁着順の大敗が2回。ローテーションとしては、そのあたりが違ってくるだけに、過去とは違った結果を期待してもよいのかも知れません。

 ちなみに2019年安田記念は最終追い切りがCWで遅い5F時計、2020年は最終追いが坂路でした。今回はCWで単走。前半はゆっくりでしたが、後半はしっかりと速いラップを刻んで、時計は6F82.2〜5F66.7〜4F51.4〜3F37.4〜1F12.0秒。週末には坂路である程度の時計を出すなど、これまでとはちょっと違った調教パターンになっています。追い切りの動き自体は落ち着きがある中でもスピードを感じることができましたし、決して悪くない内容だと思います。

調教Gメン研究所

いい動きを見せたダノンプレミアム(6月2日撮影)


◆次走要注意

・5/30 目黒記念【トラストケンシン】(11人/9着)

 最終追い切りの動きから、差して届く展開なら面白いと本命を打ちましたが、とんでもないスローペースに嵌ってしまい、ほぼ人気通りの着順に。ただ、最終追いで今回と同じような動きができた時は絶対に見逃すことができません。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが南Wで併せ追走先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2000m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 8頭立てでスローペースが予想された白百合Sでしたが、残り1000mから11秒台のラップに突入したことで、最後は凌ぎ合いのようなレース。こうなると最後の直線で力強く走ることができる◎に有利となり、このレースでも1着から3着を占めています。
 今年の鳴尾記念は中京芝2000m。ペース次第では、やっぱり坂路4F目最速ラップの出番となりそうです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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