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【安田記念予想】女王を無視する馬券は組み立てにくいが...

  • 2021年06月04日(金) 18時00分

逆転があるとすれば脚質がかぶらないあの馬か


 ヴィクトリアマイルを快勝したグランアレグリアが安田記念連覇に挑む。安田記念は昨年アーモンドアイを封じた舞台だし、前走の内容からもやはり有力と考えざるをえない。

 安田記念は決め脚のある馬が有利で、さらに複数回好走するケースも少なくない。両方に合致するグランアレグリアを無視した馬券は組みたてにくいところだ。

 なにか不安材料があるとしたら中2週という経験したことのない詰まったレース間隔。ただレース後に結果論としてそれをマイナスだったと振り返ることはできても、今週の調教までを見た段階で見た目に不安を感じる部分はない。

 インディチャンプは6歳といっても衰えた感じはないが、さすがに上積みは期待しづらいところ。それでも前述のようにこのレースは複数回好走があるし、ここまでこのレースを1、2着している馬を無視はできない。昨年を考えるとグランアレグリアを倒すイメージは湧かないが、その2、3着は十分にありうる。

 サリオスは東京コースとの相性の良さに期待したいところ。レースの傾向としてはグランアレグリアのようなタイプのほうが優勢だがすべての安田記念で差し・追い込みが届くわけでもないし、直接対決で先着することを考えたら脚質がかぶらないほうがよい。ある程度位置をとったうえで上がりをまとめる形で逆転を狙いたい。

 シュネルマイスターはルメール騎手をとられているのはもちろんマイナスだが、デビュー戦で乗っている横山武史騎手なら十分に期待できる。単純計算で前走の走破タイムではグランアレグリアとの間に0.6秒差があるが、向こうはそこから1キロ増、こちらは3キロ減。きわどいところまでいってもおかしくはない。将来的には種牡馬として日本の競馬に新しい要素を入れてほしい馬だけに、強豪相手の好走を期待したい。

 ケイデンスコールは京都金杯以降本格的に立ち直ってきた。マイラーズカップ組は勝ち切れていないが、前走上がり上位馬は安田記念で強いので、その点では推せる。NHKマイルカップ2着の舞台でもあり、人気以上の走りがあってもおかしくはない。

 ラウダシオンは短いところにフィットしてきたぶんマイルに戻ってどうかだが、東京コースでの強さを考えると軽視はできない。大きな穴を狙おうとする人はグランアレグリアが負けていることを前提にしないといけないわけで、そのシナリオだとこの馬やサリオスを重視するのが理屈に合っている。

 ダノンプレミアムは本来の能力を考えるともう一度大きなところを勝ってほしい馬だが、なかなかきっかけがつかめない。2回だけの話ではあるが安田記念との相性が悪いのももちろん気がかりな要素だ。ただ今回ははじめてとなる、ぶっつけでの参戦。これがプラスに働いたときは面白い存在になる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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