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【宝塚記念予想】牝馬の時代を象徴するような一戦

  • 2021年06月26日(土) 18時00分

ここを制すことができれば凱旋門賞での激走も


 近年の「牝馬の時代」を象徴するような組み合わせになった。歴史は変わり、さまざまなジンクスや、レースの傾向に終止符が打たれるのではないかと思える。3番人気までを牝馬が独占しそうだが、史上、牝馬の1着、2着独占はまだない。

 これまで、1番人気に支持された牝馬は、2007年ウオッカ、2010年、2011年のブエナビスタ、2013年ジェンティルドンナの延べ4頭。その成績は【0-2-1-1】にとどまる。牝馬の勝ち馬は史上5頭存在するが、それは「4、11、8、3、2」番人気馬だった。

 川田騎手(レイパパレ)は、2015年のラブリーデイで勝つなど近年の宝塚記念で3回連対しているが、一方のルメール騎手(クロノジェネシス)は毎年のように人気馬に騎乗しながら、宝塚記念は【0-0-0-6】にとどまる。

 この秋、クロノジェネシスとレイパパレは、予定通りなら凱旋門賞に挑戦する。英オークスを16馬身差で勝ち、凱旋門賞の主役となるスノーフォール(父ディープインパクト)は、12馬身差で勝った1983年のサンプリンセス(アリストテレスの4代母)の記録を更新した。同じディープインパクト産駒のレイパパレとの対戦実現はすばらしい。

 北村友一騎手の代打となったルメール騎手は、クロノジェネシスの父バゴ(仏)が勝った年にも凱旋門賞に騎乗しているが、通算【0-1-0-10】にすぎない。

 ただ、凱旋門賞で快走したオルフェーヴルも、ナカヤマフェスタも宝塚記念を勝っていた馬だった。クロノジェネシスはすでに宝塚記念を北村友一騎手で独走している。ルメール騎手は、もし、クロノジェネシスとコンビで凱旋門賞に挑戦できるなら、復帰を目指す北村友一騎手の分まで激走するだろう。凱旋門賞はかつて、1970年代から80年代にかけて「牝馬優勢」の時代があった。いま再び、10年間で牝馬が7勝もしている。

 昨年と同じような馬場が予測される。欧州タイプが連続する父系から、少し時計を要するコンディションこそベスト。その昨年よりさらに力強くなっているクロノジェネシスに期待したい。

 先行するレイパパレ、さらにカレンブーケドールをマークして進める展開の利がある。国内に限ると、負けた6戦はすべて1番人気ではなく、自身と同じ牝馬に敗れているが、逆に自分が1番人気だと4戦4勝。決して崩れない。

 底を見せていないレイパパレ、人気の牝馬が先に動くので展開が向きそうなアリストテレスが相手本線。自在型カレンブーケドール、牝馬ミスマンマミーア、昨年2着のキセキが連穴。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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