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初の騎乗馬なしも「受け止めていかな」&ナムラカメタローで8か月ぶりの重賞へ!

  • 2021年07月06日(火) 18時01分
先週の土日は、お休みになってしまった小牧騎手。「残念やった…」と落胆の色を滲ませながらも、まだまだ乗り続けるため、ある種の覚悟ができているようです。そして、先週末は、空いた時間を利用して“ある場所”へ──。「本当に楽しみ!」という、今週の競馬についても語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

受け止めながら、体だけは鍛え続けて…


──(電話取材の前に温泉に入っている写真が送られてきて)小牧さん、今どこにいるんですか?

小牧 宮崎にいます。先週は土日とも乗ってなかったんでね。お袋もワクチンを2回打ったって聞いたんで、この機会に、ひとりでフラッと帰ろうかなと思い立って。結局、それを聞きつけた弟もきて、親子水入らずや。

──そうだったんですね。

小牧 うん。でも、長居したらアカンから、昨日(日曜日)きて今日帰るんやけどね。実家に帰ると近所の人に余計な心配をさせてしまうから、空港からレンタカーで神の郷温泉に行きました。なんでも持ち込みOKの宿でね。部屋に露天風呂もあって、ひとり8000円ちょっと。安いやろ?

太論

▲部屋に露天風呂もある神の郷温泉(提供:小牧太騎手)


──めっちゃ安い!

小牧 そうやねん。温泉も最高やしね。食べ物も飲み物も全部持ち込んで、昨夜は部屋で鉄板焼きをしました。

──お母さまに会うのは、ものすごく久しぶりではないですか?

小牧 めっちゃ久しぶりやわ。乗り馬がいなかったのは残念やったけど、まぁお袋に会えたしね。それにしても、土日とも乗り馬がいなかったのは初めてやね。まぁ仕方がない。受け止めていかな。

──以前、先週のような週があっても、「焦らない、バタバタしない」とおっしゃっていましたね。

小牧 うん。こういうことも受け止めな、続けていけんから。いちいちオタオタするようじゃ、はよ辞めなアカンわ。もちろん、もっと乗りたいけど、吹っ切れているところもあるからね。受け止めながら、体だけは鍛え続けて、まだまだ乗っていきたい。

──お母さまも心配されていたのでは?

小牧 いや、「ケガをする確率が減ったからよかったやん」て言っとった(笑)。

──察するに、本音半分、心配半分…。さて、今週はプロキオンSに名前があります。

小牧 ナムラカメタローね。美浦の稲垣厩舎の馬やけど、早めに栗東にくるということで、さっそく明日(火曜日)から僕が調教をつけますわ。久しぶりの重賞やし、本当に楽しみです。レースまでに研究して、なんとかいいところを見せたいね。

太論

▲ナムラカメタローの調教をつける小牧騎手(提供:小牧太騎手)


──楽しみです!では、質問をいくつか。「先日、新馬戦で2頭が放馬するアクシデントがあり、1頭が後ろから乗っかろうとしていました。あとで牡馬同士だと知って驚きました。牡馬同士でも発情することがあるのですか?」。

小牧 2歳馬やし、よくわかってなかったんちゃうかな。ひとつ間違えたら、もっと大変なことになっていた可能性もあった。松山くんがケガをしてしまったけど、大事故になる前に収まってよかったわ。ホンマに危なかったね。

──小牧さんは前後のレースに乗っていましたが、どこで見ていたんですか?

小牧 モニターで見てたよ。まぁ放馬したら、あんな感じになることは多いよ。調教中も、よく放馬してるからね。ああいう感じになるねん。

──2歳馬に限らずですか?

小牧 そうそう。2頭同時で、しかもお客さんの前でっていうのは珍しいけど、調教中にはしょっちゅうあることや。だから、いつも気をつけてはいるんやけどね。

──続いては、「犬は人間でいうと2、3歳の知能レベルにあると言われていますが、馬はどの程度なのでしょうか?小牧騎手の個人的な意見でけっこうです。コイツ、わかってるなぁとか、知能レベルの高さを感じることはありますか?」という質問です。

小牧 ん〜、犬と変わらんと思うよ。名前を呼んだら反応するから、言葉もある程度理解してるんやろうし、ご飯がほしくなったら鳴くし。担当の人には懐くしね。

──小牧さんに懐いていた馬は?

小牧 昔、騎手としてデビューする前は1頭持ちで厩務員をやっていたから、そのとき担当していた馬は僕に懐いてたよ。自分のペットみたいな気持ちで、すごく可愛がってたもん。僕の足音がすると、鳴いたりして。でも、レースで乗るようになると、そういう関係性は築けんけどね。

──競走馬は、基本的にジョッキーが嫌いだと聞いたことがあります。

小牧 そうやろね。ただでさえ走るのが嫌いな馬が多いのに、叩かれるわけやから。

──では、最後の質問です。「自分は小牧騎手と同じ1967年生まれです。芸能人でいうと、織田裕二とか江口洋介とか天海祐希などが同じ年で、みんな若いなー、頑張ってるなーとタメ息が出ます。小牧騎手は、若さを保つ秘訣って何だと思いますか?気持ちの面で意識していることがあれば、ぜひ教えてください」。

小牧 とくに意識はしてないけど…。そうやなぁ、普段は年を忘れていることが若さの秘訣やと思うわ。僕なんか、なにをするにしても、若い子と変わらんと思ってるもん。いつも言うけど、同じ気持ちでいるからね。

──小牧さん、若いジョッキーとも仲がいいですけど、親のような目線で見守る…とか、そういう感じではないですものね。

小牧 全然そんな気持ちで接してないね。そうじゃないと、この仕事はできへんて。「俺のほうが、まだモテる!」と思ってるしね(笑)。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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