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【関屋記念・小倉記念予想】サマーシリーズ重賞は一筋縄で決着しない?出走予定馬の追い切りを徹底解説!!

  • 2021年08月11日(水) 18時00分

馬場よりも体調さえ整っていれば好走できる1頭とは


 今週の重賞は関屋記念と小倉記念。どちらもサマーシリーズ2021の対象レース。マイルシリーズの関屋記念には、現在10ポイントで1位タイのアンドラステとロータスランドが出走予定。この結果次第では、チャンピオンに大きく近づくといったことになりそうです。

 一方、小倉記念は3勝クラスの登録も多く、自己条件(博多S)と両にらみという陣営も多いようです。そういった意味では特別登録の14頭からゴソッと減る可能性もありますが、だからといって一筋縄で決着するとも思えず、馬券的には頭を悩ませることになるでしょうね。

【関屋記念/アンドラステ】

 前走中京記念で重賞初制覇。コーナー4つの芝1800mで立ち回りの巧さを発揮し、そこに休み明けのマーメイドSをひと叩きしての上積みがうまく噛み合っての結果だというのが個人的な印象です。

 それだけに今回は引き続きの中3週でどのような調整をしてくるのか注目していましたが、1週前追い切りは坂路。8月6日に4F56.1秒と軽めの調整になりました。最終追い切りもCWでラスト1F12.6秒と軽く流すような感じ。向正面での動きを見逃してしまったので、VTRであらためて確認するつもりですが、調教内容としては、同じ中3週でも、前走よりもかなり軽くなったという印象はあります。
調教Gメン研究所

前走と同じ中3週でも、調教内容はかなり軽かったアンドラステ(8月10日撮影)



【関屋記念/ロータスランド】

 米子S、中京記念とサマーマイルシリーズに皆勤。前走は中3週で週中2本、週末2本の坂路での追い切りでしたが、今回はその中から1週前の週末追い切りで時計を出していないので、3本になっていますが、このあたりは大きな変化というわけではないと思います。

 ただ、1週前追い切りは前回が坂路4F52.4秒、2F24.0秒、1F11.5秒と凄まじい後半のラップだったのに対して、今回は4F53.4秒、2F24.8秒、1F12.1秒ですから、やや平凡な内容になりました。このあたりは連戦というところだと思いますが、そういった意味では状態的な大きな上積みというのはあまりないかもしれません。
調教Gメン研究所

最終追い切りはやや平凡な内容になったロータスランド(8月10日撮影)



【小倉記念/ファルコニア】

 前走エプソムCは中8週のローテーションで、坂路での追い切り本数が6本。レース間隔があいても、しっかりと本数をこなすのは高野友和厩舎らしい仕上げという印象ですが、1週前追い切りの併せ馬では新馬に遅れていたので、状態に関しては100%までには到達していなかったのかもしれません。

 今回も中8週ですが、追い切り本数は同じく6本。1週前追い切りは古馬2勝クラスに先行して同入。先着はできていないものの、遅れなかったので問題ないでしょう。むしろ、4F51.3秒が自己ベストを更新する時計となっており、ここで完調に仕上がった印象。最終追い切りは坂路4F53.1秒と決して遅くない数字ですが、きっと楽にこの時計を出しているはず。そのあたりはVTRで動きを確認したいと思います。

【小倉記念/ヴェロックス】

 最終追い切りが坂路での出走、これは前走が初めてのパターンでしたが、5ヶ月の休養明けでも4着と決して悪くない結果を残しています。その調整を踏襲したのか、今回も坂路での最終追い切り。中間の追い切りも坂路オンリーとなっています。

 今回は2週前追い切り、1週前追い切りに併せ馬を課してくる内容。特に1週前は素晴らしい動き。楽な動きで2F23.8秒は現状の軽快さを示している数字といってよいと思います。最終追い切りは時計のみ確認しましたが、4F55.8秒。数字としては遅くなっていますが、それも1週前にしっかり動けているから。そんな気がします。
調教Gメン研究所

1週前は楽な動きで現状の軽快さを示していたヴェロックス(8月3日撮影)



【小倉記念/ショウナンバルディ】

 中山金杯から3戦続いた二桁着順での惨敗が嘘のような、ここ3戦の安定ぶり。良馬場希望でも前走が稍重で3着と好走しているところを見ると、馬場よりも体調さえ整っていれば、しっかりと重賞でも走ることができるのかもしれません。

 このところの成績安定のひとつの要因が追い切り本数の多さだと感じています。中3週で4本、中2週で3本、中4週で5本。必ずローテーションよりも多い追い切り本数を消化していますが、今回は中4週で8本。もちろん、15-15のような時計も交えての本数ではありますが、1週前追い切りは坂路4F51.4秒で自己ベストをマーク。体調自体はここ3戦よりも上がっているかもしれません。
調教Gメン研究所

追い切り本数の多さが成績安定につながっているショウナンバルディ(8月10日撮影)



◆次走要注意

・8/8 3歳上1勝クラス【レヴェッツァ】(1人/3着)

 追い切りでは抜群の動きを見せて、仕上がりは万全という予想。ただ、レースでは内に位置していた関係で、外へ持ち出すまでに相当な時間を要しました。それでも勝ち馬に0.2秒差のところまで差を詰めており、やっぱり能力の高さを示したと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]1週前追い切りがCWで併せ先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目と3F目区間で1秒以上加速するラップ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 今週から小倉開催が再スタートの形。3回6日目から馬場状態がどのように変化しているかというところはありますが、3回初日から3週続けて好走したのが、◎○の両方の調教適性に該当した馬。CBC賞(2日目)で日本レコードのファストフォースも、後方から差しが決まった雲仙特別(5日目)でも勝ったのは◎○。雨の影響があってもなくても、信頼できる調教適性だと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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