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【菊花賞予想】春クラシック馬不在の馬券予想が楽しい一戦

  • 2021年10月22日(金) 18時00分

人気のステラヴェローチェは長距離戦で良いという印象はないのだが…


 春クラシック馬がいないのは寂しいが、今回は牝馬の参戦があったり、馬券的に狙えそうな馬が多かったり、予想としては楽しい菊花賞だ。

 人気はステラヴェローチェだろう。長距離戦で良いという印象はないのだが、そもそも能力の絶対値がこの中では高い。最近の菊花賞や天皇賞春は、年にもよるが本質的には中距離馬という馬が勝ち負けしてしまうことも普通にある。差すときの進路取りが上手い馬なので、無駄なスタミナロスなく直線で前の馬をさばきたい。

 オーソクレースは血統を見ると長いところでよさそう。セントライト記念は休み明けだったし、状態面での上積みもあるだろう。問題は大外枠だが、京都芝3000mよりは阪神芝3000mのほうが最初のコーナーまでが長いし、克服可能と期待したい。

 レッドジェネシスにはそこまでステイヤー感を感じないのだが、速い上がりを使えないので、全員がある程度疲れる長距離戦は悪くない可能性がある。GII勝ちがあって前走2着は、今回のメンバーだと格上感もある。

 神戸新聞杯3着のモンテディオは穴候補としては面白い。父ジャスタウェイの産駒は、折り合いさえつけばよく距離をこなしている。地力に勝るという感じではないのでアタマまでは買いづらいが、3着候補にはなりうる。

 アサマノイタズラはレースごとのムラがあるのでなんとも扱い方が難しい。自分で競馬を作りにいけるタイプではないので、腹をくくって差しに構え、チャンスのほうから転がり込んでくるような形を待つのがよいかもしれない。

 タイトルホルダーは今回のメンバーだとダービーで2番目に先着した馬ということになる。前走は展開不利だったと思うのだが、重賞大敗組が菊花賞で巻き返すことはかなり稀なので、そこは気にかかる。

 ヴァイスメテオールはまだキャリアが浅い分、隠し持っている力に期待する発想は可能。枠が外なので、あらかじめどんな競馬をするのかイメージしたうえでその通りになるかどうかだろう。半端な位置取りや仕掛けだと、この距離はこなせない。

 昔は前走2勝クラス勝ちの馬がよく馬券になっていた菊花賞だが、最近は重賞組が強い。狙うとしても1頭か2頭。今年の該当馬で1頭挙げるなら牝馬のディヴァインラヴ。オーソクレースと同配合。成績的にはこちらは晩成の匂いもする。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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