スマートフォン版へ

【エリザベス女王杯・武蔵野S・デイリー杯2歳S・福島記念予想】2週続けてスピード感抜群の動きを見せた1頭とは?

  • 2021年11月10日(水) 18時00分

うまく馬券を組み立てて、低調な秋のGI回収率を大きく引き上げたい!


 9日に降った雨の影響を受けた10日の栗東。ただ、お天気自体は快晴で、強い風が吹いた時間帯以外は過ごしやすい調教時間でした。その中、CWで併せ馬を課したソダシ。どこを使うんだろうと思っていたら、チャンピオンズC参戦の報道が流れましたね。血統がダート適性十分なのは承知していますが、果たして歴戦の古馬相手にどんな競馬をするのか。馬券的にも注目ですね。

 そのチャンピオンズCの優先出走権を得ることができるのが、今週の武蔵野S。全体的なメンバーを見渡すと、ややマイルよりも短い距離が得意な印象の馬が多いのですが、個人的には下記で取り上げた馬がここを勝てば、チャンピオンズCでも、とは思っています。

 そして、今週のGIはエリザベス女王杯。前走負けただけで、ここまで人気が落ちる?と思うような馬もいるだけに、ここはうまく馬券を組み立てて、低調な秋のGI回収率を大きく引き上げたいと思います。

【武蔵野S/ソリストサンダー】

 振り返れば、フェブラリーSで◎を打ち、この経験があれば通用すると思ったかしわ記念でも◎を打って2着。ただ、エルムSは夏場ということが気になって評価を落とし、前走もそこからの回復がゆっくりという見立てでした。いよいよ今回、と思うからこそ、ここで高い評価をしたいわけですが、その根拠が坂路での2F時計。

 前走の最終追い切りでは坂路2F25.3秒がまだ本調子ではないと判断した根拠でしたが、2F24秒台はかしわ記念2着がありますし、昨年の武蔵野Sでも2着。今回は最終追いが坂路で2F24.7秒。しかも4F目最速ラップですから、ようやく絶好調。ここでしっかりと結果を出して、次の目標へ向かってほしいところです。

調教Gメン研究所

絶好調時の動きに戻った今回は勝利が欲しいソリストサンダー(11月9日撮影)


【デイリー杯2歳S/セリフォス】

 デビューから2戦2勝。この2戦に共通する調教パターンが2週前追い切り、1週前追い切りがともにCWで併せ馬を先着すること。キャリアの浅い馬だけに、調教内容から好走凡走を判断するのであれば、やはり勝った時に共通する項目を重視するという方法で問題ないと思います。

 今回は2週前追い切りが坂路。ここでの併せ馬は先着で、1週前追い切りはCWで併せ馬に先着しています。2週前の馬場は違いますが、併せを課して先着しているという意味では評価を下げることもないでしょう。むしろ、ここ3戦の共通として、1週前がCW先着を継続しているのであれば、状態に関しては勝った時と変わりなし、という評価でよいと思います。

調教Gメン研究所

2連勝時と変わりない状態で臨めそうなセリフォス(11月2日撮影)


【福島記念/ヴァンケドミンゴ】

 前走カシオペアSは休み明けでも狙えるかもと思っていましたが、最終追い切りはCWで併せ馬を先行して遅れ。これを見て、評価しないという選択でしたが、結果は2着。ちょっと参りましたが、メンバーを見ても、10番人気が低評価すぎたかなという気はしています。

 難しいのが、良くないと思った後の中1週。きっと悩ませるんだろうなと思ったら、案の定。CWでの最終追い切りは併せ馬を追走して、ラスト1F標識でしっかりと反応して、先着して見せました。最終追いの動きの比較でいえば、前走より今回が断然。問題はどのくらいの重さの印を打つべきか、ですね。

調教Gメン研究所

激走を見せた前走時より上昇している印象のヴァンケドミンゴ(写真奥、11月10日撮影)


【エリザベス女王杯/レイパパレ】

 前走オールカマーはいつもの休み明けにしては、早い時期から乗り込みを開始。1週前追い切りの坂路での併せ馬は動きが見劣ったことも踏まえると、結果を出してきた休み明けよりも仕上がりが悪いと判断しました。その結果として4着だったこともあると思っていますが、レースとして、逃げなかったことも馬券圏外になった理由のひとつかもしれません。

 今回は中6週で6本の追い切り。これは中6週で5本のチャレンジC1着時とほぼ同じ。1週前追い切りの動きも前走時とは違って、素軽くなっています。最終追い切りに関しては、時計しか確認できていませんが、しっかりと負荷をかけたようですし、数字としては評価したいところ。ただ、ラップが4F目が最速ではなかったあたり、どんな動きだったのか。これはVTRを確認して、重賞捜査網で解説したいと思います。

調教Gメン研究所

前走時よりも動きが素軽くなっているレイパパレ(11月9日撮影)


【エリザベス女王杯/ランブリングアレー】

 前走は休み明けでも決して悪くない仕上がりだと判定しましたが、結果的にはGI後の休養、夏を挟んだということが通常の休み明けではなかったのかもしれません。それでも勝ち馬から0.6秒差なら決して悲観する内容ではないと思います。

 この中間も追い切りの動きは抜群。1週前追い切りも素晴らしいと思いましたが、最終追い切りのCWでの半マイルもスピード感抜群。とにかく安定した走りが印象的で、スピードが勝手に乗っていくといった感じ。それだけに、個人的には京都の芝2200mだったら、3コーナーの下りで勢いをつけて、一気に押し切るレースができそうというイメージ。直線急坂は中山で重賞を勝っているので、不得意なわけはありませんが、どちらかといえば、スピードが武器になるタイプということを考えると、となってしまいます。

調教Gメン研究所

スピード感抜群の追い切りを見せているランブリングアレー(11月10日撮影)


◆次走要注意

・11/7 みやこS【メイショウハリオ】(5人/1着)

 太秦Sを使って、ここに出走できたことが最大の勝因だと思いますが、それに同じくらい、最終追い切りの動きが素晴らしかったことが好走要因でもあると思います。今が伸び盛りの4歳ですから、次走も同じような最終追い切りで動くことができれば、たとえGIでも面白いと思います。

[メモ登録用コメント] [チャンピオンズC]最終追い切りが坂路で2F24.5秒以下かつ4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1400m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○調教タイプが馬ナリ平均併用系統か乗込併用系統

 秋開催東京芝1400mにベストな調教内容として、最終追い切りが南Wを重視してきましたが、5回東京開催になり、ベターとしていた最終追い坂路の好走が目立つようになってきました。これは馬場が傷んできたことによる傾向の変化。今週からはこれを重視しつつ、調教タイプとして、馬ナリ平均併用系統と乗込併用系統は引き続き評価する形にしました。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング