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【マイルCS・東京スポーツ杯2歳S予想】タフな阪神を攻略する糸口を発見!? 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2021年11月17日(水) 18時00分

今の阪神マイルでおすすめする調教適性とは…


 先週のエリザベス女王杯。昨年のレースを参考に1週前追い切りの内容を重視して、◎ランブリングアレーとしましたが、結果的には距離が長かったということですね。▲ステラリアを本命にできていれば、とか、あんなタフなら宝塚記念重視で☆アカイイトだって本命候補にできた、なんて結果論が頭の中を染めてしまいます。

 例年は京都開催なのに今年は阪神。しかも昨年と違うのは使い込んでいるところなので、昨年だけの傾向ではどうなんだろうと、今週のマイルCSも重視すべき調教内容に迷ってしまいます。ただ、先週のデイリー杯2歳Sは追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプが3頭しか出走せず、馬券圏内を独占しています。うち1頭が最低人気でしたから、この結果は今の馬場を象徴しているような気がします。

【東京スポーツ杯2歳S/レッドベルアーム】

 6月のデビュー戦以来となりますが、栗東での乗り込み量は豊富。10月中旬には福永祐一騎手が跨って、坂路で併せ馬を消化していましたから、始動が早いなあというのが当時の印象。だからこそ、10月27日のCWでは併せ馬で抜群の動きを見せたのかな、と思います。

 ただ、先週のCWでの追い切りが個人的な印象としてひと息。向正面から出て、前2頭を追いかける形だったと思いますが、最後は一杯になったという脚色。それだけに最終追い切りがどんな動きになるか注目していましたが、個人的にはそこまでピンとくる感じがなかったというのが正直なところ。こうなると、印評価に迷いそうです。

調教Gメン研究所

乗り込み量は豊富なレッドベルアーム(11月16日撮影)


【東京スポーツ杯2歳S/ダンテスヴュー】

 中6週となりますが、放牧から帰厩して最初のCW追い切りが11月3日。この時は最後の直線に向くまでの態勢や、追われてからの反応にひと息といったところも見られました。とはいっても、時計的には十分速い内容で、このひと追いで確実に変わってくるだろうと期待したのが、1週前追い切り。

 1週前追い切りはCWでの3頭併せでしたが、外にジュンライトボルト、内にフィデル。3頭がビッチリ競り合うとはこの内容のことで、最後の直線においてもどれが先着するのか予想できないような追い比べ。結果的にはゴール前で一番手応えに余裕があったのがこの馬ですから、やっぱり3日の追い切りが効果的だったんでしょう。そして、最終追い切りはCWでしっかり追われました。この動きは少し地味でしたが、11月14日の左回りのDPで時計を出していることもあるので、とにかく中身の濃い調教内容は消化しています。

調教Gメン研究所

中身の濃い調教内容は消化しているダンテスヴュー(写真奥、11月17日撮影)


【マイルCS/インディチャンプ】

 2019年のマイルCS覇者であり、昨年の2着馬。昨年と同じ、安田記念からのローテーションともなれば、ごく普通に評価すべき1頭であることは理解できます。ただ、16日に坂路でその馬体を見た時に、迫力を感じることができず、こじんまりした体だなあという印象でした。

 でも、いざ走り出すとそんなことはなくて、16日のキャンターでもみなぎる気持ちを感じることはできました。このあたりで判断を迷っていましたが、最終追い切りの坂路でのラップを見て、さらに迷うことになりそう。というのも、昨年は4F目最速ラップだったところが、今年は4F目減速。このラップに関しては、動きを確認してから、重賞捜査網で解説したいと思います。

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みなぎる気持ちを感じることはできたインディチャンプ(11月16日撮影)


【マイルCS/グレナディアガーズ】

 前走は未勝利戦4着時以来の最終追い切りCWでしたが、結果は3着。凡走したわけではありませんが、やっぱり最終追いは朝日杯FSを勝った時と同じ、坂路で速い4F時計をマークすることが重要ではないかと思ってしまいます。

 ちなみに当時は坂路4F51.4秒。併せ馬を追走して先着しており、中5週でしたが、強い負荷をかける内容といった感じでした。今回は最終追いが坂路ではありますが、4F時計は53.0秒。少し地味ですが、このあたりは1週前追い切りがCWでしっかりと負荷をかけたといったところでしょう。この調教内容なら大きく崩れることもなさそうですが、3歳になって勝ち切れていない現状から大きく前進する内容とも判断することは難しいのが個人的な印象です。

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大きく崩れることはなさそうなグレナディアガーズ(11月17日撮影)


【マイルCS/ダノンザキッド】

 春は皐月賞の後、怪我のため休養。ダービーをスキップした効果が表れたのが今秋で、前走は4着だったものの、陣営が納得する状態でレースを使えたという部分に大きな意味があったような気がします。前走後も順調そのもので、しっかりと追い切りを消化できています。

 最終追い切りはホープフルSを勝った時と同じCW。当時と違うのは、今回が単走だったという点。ちなみに前走時の最終追いはCWで単走ですから、前走のパターンを踏襲したといったところでしょう。動き自体は非常にスムーズでしたが、個人的には東京スポーツ杯2歳Sの時の最終追い、4F51.6秒が迫力十分だったなあという感じ。坂路追いでどんな動きを見せてくれるか見てみたかったというのが正直な気持ちです。

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しっかりと追い切りを消化できているダノンザキッド(11月17日撮影)


◆次走要注意

・11/14 エリザベス女王杯【テルツェット】(4人/11着)

 初めての阪神競馬場なので、入れ込みを気にしていましたが、それは対策されたことで回避できたようです。ただ、この距離は長いし、タフな馬場も向かなかったのでしょう。重賞を勝った中山マイルなら一変するはずです。

[メモ登録用コメント] [中山芝1600m]最終追い切りが南Wで単走でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎調教タイプが追い切り本数標準以上の併用系統
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 冒頭にも記したように、先週のデイリー杯2歳Sが標準併用、馬ナリ平均併用、標準坂路主体で決着。3着は単勝111.2倍の7番人気でしたが、これが最終追い切り栗東坂路。4F目最速ラップは踏んでいませんが、3F目以降が12.9秒なので、このパワーが激走の要因になったような気がします。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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