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【ジャパンC】名騎手の手綱さばきに称賛と感嘆の声が響き渡る秋の府中

  • 2021年11月27日(土) 12時00分

2017年以来3頭の遠征で世界の注目を集めることになればと思う


 外国に遠征する馬が多くなり、今では常態化したと言っていい。一方で国際招待競走のジャパンカップに参戦する外国馬が少ないのが気になっていた。今年は2017年以来久々に3頭が遠征してきて、少しは世界の注目を集めることになればと思っている。

 かねがね海外の関係者から来日の障壁のひとつと言われていた日本の検疫制度に手を加え、東京競馬場に国際厩舎を来年5月までに完成させるということで、空港から競馬場に直接入厩できるようになれば、馬の負担が軽減されるので、ジャパンカップ出走への誘因となるかもしれない。もちろん、12月の香港国際競走と比べ、こちらは北米勢の参戦がほとんどないという現状からどう脱却できるかの問題は残っているが。

 とりあえずは今年と来年の動向がカギとなってくる。そのひとつが、来日した外国馬が、今年どんな走りを見せるかだ。2005年のアルカセット(英)以来外国馬は勝っていない。その翌年に3着に入ったウィジャボード(英)の成績を上回る馬が出てくるかどうか、そこに注目してみたい。

 来日した外国馬のうちグランドグローリー(仏)はドーヴィルの牝馬限定G1ジャンロマネ賞を勝っているが、夏の古牝馬の頂点を極めジャパンカップがラストランになる。クリスチャン・デムーロ騎手はイタリア人、あのアルカセットの手綱を取ったランフランコ・デットーリ騎手もイタリア人で、縁がなくもない。

 他の2頭ブルーム(愛)とジャパン(愛)はどちらも名門エイダン・オブライエン厩舎の馬だが、凱旋門賞前からジャパンカップ挑戦が決まっていたブルームの父オーストラリアの母がウィジャボードだから、少なからず縁がある。騎乗するライアン・ムーア騎手は、コロナ禍で来日できなかった昨年以外は毎年ジャパンカップに参加し、2013年にはジェンティルドンナで勝っていた。

 また、ジャパンに武豊騎手が乗るので日英名騎手の手綱もレースの雰囲気を盛り上げてくれる。ブルームもジャパンも欧州のG1を勝っているし、英国ダービーでも上位の成績があるので名門厩舎の2頭出しは注目に値するのではないか。

 迎え撃つ日本勢は、史上初の4世代ダービー馬の出走に話題が集中しているが、中でも史上3頭目の無敗での3冠を昨年達成したコントレイルのラストランが見ものだ。強い思いを乗せた一戦でディープインパクトの後継馬の呼び声に応えられるかどうかだ。

 福永祐一騎手は、4頭のダービー馬のうちワグネリアン、コントレイル、そして今年のシャフリヤールと3頭の手綱を取っていた。この4年でダービー3勝の快挙に加え、ジャパンカップの歴史に花がそえられるかどうか。他には川田、ルメール、横山武史の各騎手のプレイに気持が向いていく。ジャパンカップとそれぞれの騎手たちという視点でいきたい。

「称賛と 感嘆の声 暮の秋」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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