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【阪神JF予想】当たりはずれが大きく評価が難しいファンタジーS組

  • 2021年12月10日(金) 18時00分

ウォーターナビレラは1600mを経験しているぶん安心感はあるが…


 3連勝のウォーターナビレラが人気になりそうだ。ファンタジーS組というのは当たりはずれが大きくて正直評価が難しいのだが、この馬はサフラン賞で1600mを経験しているぶん安心感はある。問題があるとしたらここまで前での競馬だけをしてきたことで、差し馬向きの流れになったり自身が思いのほか後ろになった場合の不安はある。ただそれは他の先行組にも言えることだし、そこを克服すれば一気に桜花賞まで見通せるようになる。

 差すタイプなら今度は届ききるのかという不安も出てくるわけで、サークルオブライフはアルテミスSの再現ができるかどうか。もともとスタミナの余裕はありそうなので、消耗戦から前が崩れてくる形なら良さそう。ただ単純な前残りや、初手で良い位置を取れた馬がそれなりにキレた場合はその馬に届かないこともありうる。

 アルテミスS2着のベルクレスタはタイム差無しだったし、展開次第でサークルオブライフを逆転することも可能だろう。この馬の魅力はやはり血統。プレップレースよりも本番で輝いてくる可能性はある。

 ステルナティーアはサウジアラビアロイヤルCで負けた相手が牡馬の中でも世代の大将格と言えるコマンドラインだから仕方のないところ。本馬もGI馬の下だし、速い上がりを苦にしなさそうなところがプラス要素。ルメール騎乗で人気になりすぎてしまう点は良し悪しというところだろうか。

 ナミュールは2戦2勝でここへ。一瞬の反応が鋭いという感じではないが、加速してからそれが止まらないという印象で、前走の上がりも後から見れば33.0秒だった。重賞組がどれだけ走るかにもよるが、中団あたりを取れれば差し届いてくる可能性は十分。ただ器用な脚があるわけではないので、進路がどれだけクリアに開いてブレーキを踏まずに伸びてこられるかが問題になる。
 
 2戦2勝はダークペイジも同様。距離延長&初距離だし、父も短距離馬だったので1600mは正直不安。ただ新馬→1勝クラス連勝の馬は過去10年[0-2-2-5]、3着候補くらいには検討してもよいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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