【シンザン記念予想】桜の舞台と強く結びつく3歳重賞
数々の名牝が挑んだ理想のステップレース
至宝とまで形容された1964年の3冠馬シンザンの功績を伝えるレースだが、春の2冠を展望する牡馬には距離と時期が微妙。このレースを勝ち、後にクラシックを制した牡馬は2002年の日本ダービー馬タニノギムレットだけに限られる。
だが、牝馬は異なる。3ヶ月後の桜花賞1600mと結びつく。最近15年間のシンザン記念で好走した次の5頭が、4月の桜花賞を制している。
2007年 2着ダイワスカーレット 桜花賞1着
2011年 3着マルセリーナ 桜花賞1着
2012年 1着ジェンティルドンナ 桜花賞1着
2016年 2着ジュエラー 桜花賞1着
2018年 1着アーモンドアイ 桜花賞1着
出走レースを絞る手法が定着した現在、とくに牝馬には理想のステップ重賞となることが多い。2018年の3冠牝馬アーモンドアイはここから桜花賞に直行した。
2012年の3冠牝馬ジェンティルドンナは、次走のチューリップ賞を余裕残しのステップ(4着)にすることができた。ここで賞金加算に成功すると、後のスケジュールが楽レースになる。無理のない(消耗しない)スケジュールが後の活躍に結び着く。
牝馬ラスール(父キタサンブラック)は、今回が2戦目。2着だったジュエラーと、3着だったマルセリーナが2戦目だった。ここが死角だが、父キタサンブラックは後年のイメージとは違って、最初はずっと無名に近い伏兵ながら、3歳1月の新馬戦から3月のスプリングSまで3戦3勝だった。
ラスールと同じ初年度産駒の3歳牡馬イクイノックスは「新馬→東スポ杯2歳S」を連勝してすでにクラシック候補になっている。種牡馬キタサンブラックの本当の評価はこれからだが、長所を受け継いだ才能ある産駒は、父と同じように距離を問わず、早期に連勝できるレースセンスを備えている。
ラスールと同じサンデーサイレンス系だった兄シャケトラ(父マンハッタンカフェ)は、明らかな長距離型だったが、少しも遅咲きではなく、6戦目まで【4-1-1-0】。最初から崩れない馬だった。前回はかかるロスがあったレッドベルアーム、同じ牝馬のモズゴールドバレル、好気配のウナギノボリ、カワキタレブリーが相手本線。
荒れそうな中山の「ポルックスS」は、調教ではコースを問わずに動くマイラプソディ(父ハーツクライ)を買いたい。牝系がダート向きの典型的なアメリカ血統。