スマートフォン版へ

【京都記念・共同通信杯・クイーンC予想】昨年の結果を重視しつつ、今年の調教適性を導く

  • 2022年02月09日(水) 18時00分

同じコースでも宝塚記念とはちょっと違う調教適性が求められる


 先週は「確固たる予想基軸」なんて、かっこいいフレーズを使ったのに、東京新聞杯を外してしまいました。お役に立てなかったことは申し訳ないのですが、ただ、予想基軸に該当したカレンシュトラウスは8番人気で4着。「馬券にならなきゃ意味がない」という声はごもっともなんですが、調教適性があったからこそ人気以上に走れた、と解釈することも予想家としては重要だと考えています。

 さて、今週こそで開催替わり。阪神は昨年に続く長い開催になりますが、開幕週の京都記念は時計の速い決着でしたね。きっと今年もそうなるだろうと予想していますから、もちろん重視するのは昨年の結果。宝塚記念とはちょっと違う調教適性が求められる阪神芝2200mです。

【クイーンC/ベルクレスタ】

 前走阪神JFは6着も、2走前のアルテミスSは2着。これが東京マイルだから、ここで人気するのは当然かも知れません。ただ、気になるのはこの中間のCWでの併せ馬の遅れ。1週前追い切りは新馬相手だっただけに、追走して外を回るのはちょうどよい負荷だったと思うのですが、一旦前へ出たのに、そこから相手が伸びてくると反応の鈍いところがありました。

 最終追い切りは前走とほぼ同じような時計での坂路。4F目最速ラップは踏めており、決して悪い内容だとは思いませんが、アルテミスS2着時の最終追いはDコースの芝馬場。あとは、このあたりの違いをどう判断するかでしょう。
調教Gメン研究所

前走とほぼ同じような時計で坂路をこなしたベルクレスタ(2月8日撮影)



【共同通信杯/ダノンスコーピオン】

 朝日杯FS以来のレースとなりますが、1月中旬には坂路で15-15を消化していて、ここに向けての準備は万端。1月26日の坂路では4F52.0秒をマークしましたし、この後もスムーズに調子を上げていくだろうと思っていました。ところが、1週前追い切りがCWで併せ馬。追走したとはいえ、少し内にささる仕草を見せて、遅れてしまいました。

 最終追い切りもCWでの併せ馬でしたが、これも最後の直線で内へささってしまいます。レースは左回りなので問題ないと考えてもいいかも知れませんし、前走の1週前追い切りでもCWで少し内にささりそうな仕草は見せています。ただ、ちょっと今回はその動作がライブで見た時には大きいように思いましたし、個人的にはもう一度、VTRでの動きを確認してから、重賞捜査網で解説したいと思います。
調教Gメン研究所

ここに向けての準備は万端のダノンスコーピオン(2月8日撮影)



【共同通信杯/ビーアストニッシド】

 前走シンザン記念の後も入念に乗り込まれていて、追い切り本数は豊富。これが坂路だけとかCWだけではなく、どちらもしっかりと併用していますから、調教の負荷としては相当なものだと思います。1週前追い切りのCWでは併せ馬ではなかったと思いますが、内に同厩舎の馬を見ながら、外を回しての6F82.2秒。とても中4週とは思えません。

 最終追い切りはCWで岩田康誠騎手が騎乗。道中はすごく乗り難しい印象でしたし、4コーナーでは逆手前。ただ、ゴール手前の100mはかなり真面目に走って鋭い伸び。これが11.5秒ですから、真面目に走るかどうか。ここが大きなポイントにはなりそうです。
調教Gメン研究所

追い切り本数が豊富なビーアストニッシド(2月8日撮影)



【京都記念/レッドジェネシス】

 菊花賞以来でも調教量としては十分かなと思いますが、気になるのは1週前追い切りのCWでの併せ馬の動き。少し反応の鈍いところがありましたし、これは1月26日のCWでの追い切りの動きとも大きく変わりません。神戸新聞杯の1週前追いで併せが劣勢だったことを思えば、もともと併せ馬では動かないところがある印象ですが、休み明けでこの動きはやっぱり気になります。

 それだけに最終追い切りのCWでの併せ馬は注目でしたが、新馬相手にこれまた苦戦した動き。菊花賞の時にすごくテンションが上がったようですから、このくらいの気持ちの方がレースでは走るかも知れませんが、やはり調教としてはあまり高い評価はできません。
調教Gメン研究所

休み明けの動きが気になるレッドジェネシス(写真奥、2月9日撮影)



【京都記念/サンレイポケット】

 昨秋は天皇賞秋、ジャパンCがどちらも4着。エフフォーリア、コントレイルが勝ち馬ですから、この4着はかなり評価できる内容だと思いますし、ここのメンバーに入れば、大威張りできる実績です。ただ、この中間の追い切りの動きを見ていると、当時ほどのパフォーマンスを発揮できるかどうかは疑問。

 というのも、1週前追い切りCWでの併せ馬は古馬1勝クラスに劣勢の同入。最終追いも同じ相手に同入ですから、これは調教VTRを見てからの最終判断と思っていますが、決して先週のひと追いで急上昇というわけではないような感じです。
調教Gメン研究所

パフォーマンスが注目されるサンレイポケット(2月9日撮影)



◆次走要注意

・2/5 春菜賞【マコトダイトウレン】(7人/9着)

 前半の脚をためる部分まで、ほぼ完璧なレースに見えましたが、最後の直線でジョッキーが外を見ているのに、馬は内へささり気味。新潟の未勝利で先行して伸びなかった時と同じような感じですから、これは完全に右回り専門。次は条件替わりで狙うべきですね。

[メモ登録用コメント] [右回り]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップ
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 桜花賞も含め、2021年の1回、2回阪神開催で行われた芝マイルは29レースありましたが、◎もしくは○に該当せず勝利したのは4頭だけ。約3ヵ月のロングラン開催において、調教適性の傾向を大きな変化なく続けたということですから、よほど今年が昨年と違う馬場状態でないかぎりは開幕週から有効な調教適性になるはずです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング