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【共同通信杯予想】テーマは皐月賞で勝ち負けする馬を探すこと

  • 2022年02月12日(土) 18時00分

クラシックへの最重要ステップへ昇格した当レース


 クラシックに向かうスケジュールは少しずつ変化し、牡馬の場合は「共同通信杯」が最重要ステップに昇格している。最近10年、このレースを経由した馬が皐月賞で9頭も馬券に絡んできた(日本ダービーでも10頭)。

 知られるように、この共同通信杯を「1着、2着」して4月の本番に直行した馬の中から、10年間で5頭もの皐月賞馬が誕生している。ここに到達するまでの日程は多様だが、もう視点はクラシック、皐月賞を勝ち負けしそうな馬を探すのがテーマになる。

 候補のジオグリフの父ドレフォンは、2016年の米牡馬チャンピオンスプリンター。3歳馬として制したBCスプリントなど全6勝がダート7F以下だった。

 当然、快速馬。でも、短距離馬とは限らない。日本でもそうだが、スピードを好むアメリカらしく、断然の速さを生かして勝ち始めると、中〜長距離には出走しなかった。

 ドレフォンの3代父になる大種牡馬Storm Catストームキャットも成績はスプリンターだった。だが、血統背景は必ずしも短距離型ではなく、そこで産駒は実に多様だった。

 ドレフォンの父Gio Pontiジオポンティは、G1を7勝中4勝が芝の10〜11F。2年連続して米牡馬芝チャンピオンに輝いた。母の父Ghostzapperゴーストザッパーは、BCクラシック(ダート10F)をレコード勝ちした2004年の米年度代表馬。祖母の父Trempolinoトレンポリノも凱旋門賞(芝2400m)をレコード勝ちしている。2着はトニービン。

 ドレフォンの長所はダートも芝もこなすパワフルなスピードであるのは疑いないが、でもそれは、スタミナ不足と同義ではない。

 ジオグリフは東京芝1800mの新馬でアサヒ(父カレンブラックヒル、東スポ杯2歳S2着)を完封し、札幌2歳S1800m圧勝は史上3位タイの1分49秒1。スプリンター型には不可能であり、父ドレフォンの評価は一変した。「どうして朝日杯FSなのか…」とささやかれた前回の5着は上がり最速タイの34秒5で伸びたが、やっぱり距離が短かった。

 ジオグリフの牝系には中-長距離型が多い。祖母ナスカの4分の3同血の兄インティライミは、ディープインパクトの日本ダービー2着馬。その姉はステイヤーズS3600mを3連覇もしたアルバートの母となり、スタミナを伝えている。ジオグリフは、母アロマティコが1800-2000mで5勝し、2200mのエリザベス女王杯を3着している。

 相手本線は、アサヒ、アケルナルスター、ダノンベルーガ。もちろんダノンスコーピオンも有力だが、調教の気配が一歩だったので、パドックを注視したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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