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【フェブラリーS】白毛馬ソダシへの二刀流の期待

  • 2022年02月19日(土) 12時00分

ラヴズオンリーユーを破った底力を発揮してほしい


 フェブラリーSに出走する白毛のアイドルのソダシ。「遺志を継ぎ芝とダートの二刀流」とその第一歩となったチャンピオンズCが2番人気で12着と大敗に終わり、2度目のダートが復活の舞台となるかどうか。その前走は最内枠がアダになり、他が行かないなら逃げの手を打つしかなかった。道中ずっとマークされ、自分の走りに徹しきれなかったと見ておきたい。

 父のクロフネは芝・ダートのGIを勝った二刀流。東京のダートのマイル戦武蔵野Sで9馬身差をつけ、当時の日本レコードを1秒2も更新し1分33秒3で勝った姿は圧巻だった。

 その子ソダシへの二刀流の期待が大きいのは当然で、5戦全勝で桜花賞馬になったスピード、札幌記念で先日米国のエクリプス賞に輝いたラヴズオンリーユーを破った底力、是非本領発揮となってほしい。

 ダートは、パワーとスタミナがもとめられるので牡馬が有利で、このフェブラリーSはこれまで牝馬の優勝はただ一頭のみ。それもGIに昇格する前年、1996年のホクトベガのみで、当時地方との交流が盛んになり始めていて、ホクトベガは、牝馬ながらこれを含めて交流重賞9連勝を達成していた。「ベガはベガでもホクトベガ」と、エリザベス女王杯でベガの三冠を阻止し、その後ダートで大成功した名牝だった。

 ソダシが今年のフェブラリーSを勝てば、とてつもない大偉業となるのだが、向正面の芝の部分からスタートするのでスピードには乗せやすく、ダートコースはワンターンなので自分のリズムで走ることができれば大丈夫と、プラスになることを列挙しておきたい。ゲートがうるさかった母ブチコのことが気になるが、独自のトレーニングで乗り超えた姿を見せてほしい。

 もちろん、他馬にもチャンスが大きい。連覇を目指すカフェファラオは、近3走はよくなかったが、東京のマイルは3戦3勝と得意にしている。大きいコーナーが合っている馬で、これまで一番多く勝ち馬を出している5歳馬だということを強調しておく。

 レース3度目となるアルクトスは、南部杯を連覇していてマイルが合っている。特に2年前、その年のフェブラリーSを勝っていたモズアスコットを叩き合いの末クビ差で破ったときは、1分32秒7をマークしてクロフネの日本レコードを19年ぶりに更新。少しでも馬場が渋れば可能性が大きくなる。今回は、昨年と違ってレース間隔をとってきた。

 前哨戦の根岸Sを勝ったテイエムサウスダンは心身とも充実し、前年の根岸S13着とは別馬になったと言っていい。東海Sを勝っているスワーヴアラミス、夏の暑い時期に無理をせずに着実に力をつけてきたレッドルゼルは、昨年の4着以上の期待が持てる。伏兵として狙ってみたい馬ばかりで、一番人気が3連中とは言え、そう簡単にはいかない。

「気になるは 白毛の女王 二刀流」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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