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【弥生賞】GIに直接つながるレース、面白い馬が目白押し

  • 2022年03月05日(土) 12時00分

ディープインパクト以来17年ぶりの無敗の王者誕生なるか


 いよいよ、春のGI戦に直接つながるトライアルがスタートする。そうした中、多くがクラシックに手が届くのかどうか、その可能性を見極めたいとのぞんできている。弥生賞ディープインパクト記念は、その中でも王道のトライアルで、この先の皐月賞と同じ距離、舞台であるということに加え、ダービーが見えている。ただそうは言ってもクラシックロードは多様化しているので、出走頭数はそれほど多くなく、レースはそれほど速いペースにはなっていない。

 ここに弥生賞のポイントのひとつがあり、従って上がり3ハロンの最速馬が上位を独占していると言っていい。また、流れが落ち着くとなれば立ち回りやコースの取り方も気にしなくてはならない。つまり、皐月賞やダービーとは、そのもとめられているものが微妙に異なっている点は、留意しておくべきだろう。当然、クラシックへの可能性を見極めるとき、こうした点は重要になっていく。

 朝日杯FSを勝って3戦3勝のドウデュースは、中6週、中7週と間かくをとって戦って2歳王者になったところに価値がある。派手さはなくともしっかり走り切るところに魅力があり、パートナーの武豊騎手がどう挑んでくるか。当然、その先を考えての騎乗になる。これまで8勝もしているこのトライアルの中でも、無敗のままクラシックに行くのはディープインパクト以来17年ぶり。そう簡単なことではない。

 そのディープインパクトは、若駒Sを勝って2戦2勝で弥生賞に出走していた。武騎手が最初にダービーを勝ったスペシャルウィークは、きさらぎ賞を勝って3戦2勝で出走し、ここで1着となり、レース後のインタビューでダービーに向かう手応えをにじませていた。出走馬の陣営は、どれもがこの先を考えているが、朝日杯FSの勝ち馬が弥生賞に出たのはこの10年で2頭で、その1頭が2018年のダノンプレミアム。先行して速い上がりをマークして4戦全勝でここを通過していた。

 そしてもう1頭は、2016年のリオンディーズ。2戦2勝で3戦目だったが、のちのダービー馬マカヒキの圧倒的な末脚に屈してクビ差惜敗していた。このマカヒキは、父ディープインパクトと同じく若駒Sを勝って2戦2勝で弥生賞は3戦目だった。過去の例を見ていくことで、今年のレースがうっすらと見えてくる。

 まずはドウデュースの可能性がどこまであるか。中山の2000米をどう切り抜けるか、武騎手のコメントに注目だ。この馬を含めてハーツクライ産駒が目につくが、きさらぎ賞を勝って立て直してきたマテンロウレオの距離経験を重く見ておく。出世レースの若駒Sを勝って出てくるリューベックは粘り強い先行脚質が面白い。リオンディーズ産駒では、長くいい脚を使って阪神の2000米を勝ってきたジャスティンロックを。わずか5戦で引退した父の無念を晴らせるか。

「勝てずとも 手応えあれば 望みあり」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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