勢い魅力のジャックドールかそれとも…
目下4連勝中の注目馬ジャックドール(父モーリス)。父は条件馬だった4歳春から7連勝を記録している。4歳以降は【9-2-0-0】。うち6勝がGI(香港G1の3勝を含む)。
ジャックドールが父モーリスに追いつけるか。さすがに至難だが、自身が主導権を主張してレースを作るようになって以降、どんどんパワーアップしている。初めて2000mを1分58秒台で乗り切った2走前は、前後半1000mを「59秒9-58秒5」=1分58秒4。
初オープンだった前走の白富士S2000mは「59秒4-58秒0」=1分57秒4。1秒も時計を詰めて、中身は一段と濃くなっている。4コーナーから直線に向いた1Fは引きつけるのではなく「10秒9」だった。
3走前の浜名湖特別(中京2000m)でも後半に10秒8のラップを刻んで、上がり3Fを33秒2で完勝している。ジャックドールは、単調な逃げ馬ではない。自身で主導権を握り、緩急のペース流れを作る馬に進化し、追って2段加速ができる。
金鯱賞がこの時期に移動したのは5年前から。本格化の時期を迎えた4歳馬の出世レースとなり、続く大阪杯も連勝した2018年のスワーヴリチャードを筆頭に、5年連続して4歳馬が連対している。
今回は同じ先行タイプの強敵レイパパレ(父ディープインパクト)がいるが、相手を先に行かせて「追い抜く形の調教」をみると、先手を取りには出ない公算大。一方、コンビで【4-1-0-0】の藤岡佑介騎手は、強気に先手を主張するだろう。
阪神の「Fレビュー」は、近年、ほとんど桜花賞と結びつかない。桜花賞の有力馬ほど、日程と、距離1400mを避けている。
最大の注目を距離に置くと、ナムラクレア(父ミッキーアイル)はこの距離に1分21秒2(ファンタジーS2着)の最高時計を持っているだけでなく、もっと厳しい1600mにも1分34秒3の最高タイムを持つ。そのタイムを記録した阪神JF。先週のチューリップ賞を制したナミュールと同様に、道中は馬場の傷んだ内ラチを進んでいたのがナムラクレアだった。18頭立ての1番枠だから仕方がない。最後の直線は少し外に出せたが、阪神JFを0秒5差の5着は価値がある。
「アネモネS」も本番と中3週。ウィズグレイスは、桜花賞の有力候補サークルオブライフと同じ国枝厩舎。よほどの好内容を見せないと、いきなり桜花賞に挑戦はないだろうが、なぜか初の1600mのここに出走してきた。レコードの2000mも1600m通過は1分33秒台だったが、1800mで負けた前走も1600m通過は「1分33秒5」。母カラライナの全6勝は9F以下であり、サークルオブライフとはオーナーが異なる。