エフフォーリアとジャックドールの対決となるのかそれとも…
ここまでGI3勝を中心に【6-1-0-0】のチャンピオン4歳エフフォーリア(父エピファネイア)と、同じ4歳の上がり馬ジャックドール(父モーリス)が対決する。
急速にパワーアップし目下5連勝中のジャックドールは、近年のトップホースには珍しい「先手主張」が持ち味。一戦ごとに時計を詰め、本物になった前3戦の中身は、
▽1分58秒4(前半59秒9-後半58秒5)
▽1分57秒4(前半59秒4-後半58秒0)
▽1分57秒2(前半59秒3-後半57秒9)
と進展している。前半の1000mも、後半の1000mも速くなっているうえ、決まって後半の方が1秒4も速い。単なる逃げ馬ではない。まだ良化するだろう。
逃げ脚が身上ながら、同じ金鯱賞を独走した1998年のサイレンススズカとは正反対。サイレンススズカの4歳時の6連勝は、レースを2分するとすべて前半の方が速かった。だが、ジャックドールはまったく逆。前半は飛ばしたりせず、ふつうの平均ペースに近い。
ジャックドールは今回、さらに中身を高める可能性があるが、前半1000mが今までと同様に59秒台なら、今回の有力馬は離れず射程内で追撃できるペースでもある。
2000m4戦4勝のエフフォーリアの最高時計は、ジャックドールの最高時計より0秒7も遅い1分57秒9にとどまる。ただし、これは「60秒5-57秒4」=1分57秒9の著しいスローバランスだった天皇賞(秋)で記録されたもの。
先に抜け出したグランアレグリアを差し、猛追してきコントレイルを1馬身封じたエフフォーリアの後半は「推定57秒0-上がり33秒2」だった。レースレベルは高い。
ジャックドールも超スローの4走前の2000mで後半「57秒2-上がり33秒2」を記録しているが、相手のレベルは雲泥の差。同じような記録を持つ2頭の対決は興味を呼ぶが、相手に合わせたレースができる自在性と、マークして進める展開を考えると、今回は総合力で上回るエフフォーリアの勝機だろう。
もちろん、ジャックドール本線だが、崩れるとすればここまでとは相手が異なるジャックドールか。金鯱賞の末脚が目立ったポタジェ。絶好調キングオブコージ、本格化したヒシイグアスを2番手に加えたい。