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【菱田裕二騎手】いざ春の盾! テーオーロイヤルと「1mmでも成長した自分でレースに向かいたい」

  • 2022年04月24日(日) 18時02分
今週のFace

テーオーロイヤルと天皇賞・春に挑む菱田裕二騎手(撮影:大恵陽子)


4連勝で3400mのGIII・ダイヤモンドSを制覇し、天皇賞・春に臨むテーオーロイヤル。これだけの長距離を走れる根底には、未勝利の頃から持っていた飛び抜けたスタミナがありました。そして、かつては弱さを抱えていたトモがしっかりしてきたことで、近走はスタートが安定し、先行できるようにも。連勝を続けながら進化を遂げるテーオーロイヤルのことを菱田裕二騎手に伺いました。

(取材・構成:大恵陽子)

成長に伴い、スタートが安定


──4月14日の2週前追い切りに菱田騎手が騎乗し、CWコースで併せ馬を行い84.8-11.7秒でした。

菱田 6ハロン85秒くらいのイメージだったので、ちょうどいい追い切りができました。2週前追い切りなので、やりすぎないように気を付けました。

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調教に向かうテーオーロイヤルと菱田騎手(撮影:大恵陽子)


──テーオーロイヤルとコンビを組んだのは3戦目の未勝利戦からです。最初の印象はどうでしたか?

菱田 調教に乗り始めた頃からとにかくスタミナがあるイメージでした。追い切っても全然息が乱れなかったんです。初めて騎乗した未勝利戦は4着だったんですけど、レースが終わっても息が乱れなかったですし、次のレースで勝った時も、そんなに楽なレース内容ではなかったと思うんですけど、ゴール後に止めてからも全く息が乱れていなくてすごい馬だなぁと思いました。

──青葉賞こそ4着に敗れましたが、秋に1勝クラスを勝って菊花賞に登録しましたね。

菱田 青葉賞はできればもう少し前の位置で競馬ができれば、と思っていたんですけど、スタートからそんなに出ていけませんでした。直線では伸びていますが、強い馬たちとの舞台なので、あの位置からでは厳しかったな、という気がします。

 菊花賞は抽選に外れてしまい出走できませんでしたが、同じ週の自己条件で勝てたので、いま思うと結果的には良かったんじゃないかな、とも思います。

──菊花賞前日の兵庫特別ではそれまでとは打って変わって逃げて勝ちましたし、その後も先行できるようになりました。

菱田 そのあたりからトモがしっかりしてきて、しっかりいい格好でスタートを切れるようになりました。徐々に良くはなっていたんですけど、それまでは一歩目は崩れるように出ることもありました。

──スタートではスピードが0の状態から一気に発進しますから、それだけ後肢で蹴る力がパワーアップした、と?

菱田 どんどん成長してくれていると思います。元々、心肺機能はすごく強い馬だった反面、トモがあまりしっかりしていなかったんですけど、思ったよりグッとトモが良くなったなと思います。乗りやすくもなりましたし、一番変わったのはゲートが出られるようになったことです。

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どんどん成長していき、ゲートも出られるように(撮影:下野雄規)


「なんか大丈夫そう」と感じさせてくれる返し馬


──成長が伴っての連勝だったんですね。ダイヤモンドSの勝利騎手インタビューでは戦前から自信を持っていたようなコメントをしていましたね。

菱田 返し馬が終わって、そういう気持ちにさせてくれる馬なんです。僕は経験が浅いので不安になってしまうんですけど、返し馬での走りや雰囲気で「あ、なんか大丈夫そうだな」という気持ちにさせてくれます。

──そういう感覚になる馬って、よくいるんですか?

菱田 重賞でそういう気持ちにさせてもらったことはあんまりないですね。

──レースでは残り400mを切って早々に先頭に立って、余裕の勝利でした。

菱田 4コーナーを回る時、余力十分だったので、そこでスピードを殺すよりはこのままスピードに乗せていっても最後までもつだろうな、という感覚で4コーナーから動いていきました。

──距離も長くはなく?

菱田 3400m自体、僕があんまり乗ったことなかったので、どうなるんだろう? という不安はあったんですけど、道中も折り合いがすごくつきましたし、勝負所からの反応もかなり良かったので、馬に教えてもらった感じです。心肺機能とスタミナがこの子の一番の強みだと思います。

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“心肺機能とスタミナがこの子の一番の強み”(撮影:下野雄規)


──菱田騎手にとって所属する岡田稲男厩舎での重賞初制覇でもありましたね。

菱田 とても嬉しかったです。2015年のフィリーズレビューでの2着(ペルフィカ)がこれまでの最高で、一つの目標でした。

──菱田騎手から見て師匠や岡田厩舎はどんな存在ですか?

菱田 先生、奥さん、スタッフの方々は、僕が苦しい時も常にサポートしてくださって、ものすごく感謝しています。

──同厩舎には半兄メイショウハリオ(2021年みやこS、22年マーチS勝ち)もいて、未勝利戦で騎乗して勝ちましたね。この兄弟のイメージは?

菱田 見た目も乗り味も体型も全然違うんですけど、我の強さを持っているところは似ています。案外、嫌なことは嫌って言うタイプです。テーオーロイヤルがいまこうして活躍しているのは、牧場や厩舎の方々が本当に丁寧にやってくださった結果だと思います。

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追い切り前、テーオーロイヤルと半兄のメイショウハリオが並ぶ姿も(撮影:大恵陽子)


──携わる方々の努力が結実した重賞制覇でもあったんですね。以前は右回りだと直線で左に張る場面も見られましたが、その辺りも成長してそうですね。

菱田 いつも追い出すと左に軽く重心が乗るんですけど、2週前追い切りではそういった面があまりなかったです。左に張ることでスピードが落ちたことはないので、あまり心配はしていません。他馬の邪魔をしないようにだけ気を付けようと思います。

──最後に、師匠と臨むGIへの意気込みを聞かせてください。

菱田 追い切りにあと2回乗ることになると思うんですけど(※取材日4/14)、まずはそこをしっかりこなしたいです。しっかり準備をすれば、いい状態のメンタルで臨めると思うので、1mmでも成長した自分でレースに向かいたいです。かなり相手は強くなりますし、斤量も増えるので、その2点が勝つ上での壁になってくると思いますが、スタミナ面や折り合いは心配ありません。応援よろしくお願いします。

(文中敬称略)

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