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【新潟記念・札幌2歳S・小倉2歳S予想】夏を締めくくる3重賞! 注目馬の追い切りを徹底解説!!

  • 2022年08月31日(水) 18時00分

ハンデ戦に2歳戦、調教から気になる馬は…


 今週で夏競馬が終了。来週からは中山、中京の二場開催となりますが、ここで重要なのは、今週で3歳未勝利戦が終了すること。今週勝ち上がることができなかった3歳未勝利でも、次開催の3歳上1勝クラスのレースへ出走することはできます。とはいっても、やっぱり未勝利戦でなんとかしないと、となるはず。先週のレースで5着以内の優先出走権を持っている連闘馬も含めた厳しい戦いになるでしょうね。

 これに加えて、9月に入ると新潟も小倉も週末まで雨予報が続きます。これは重賞の2レースにも影響を及ぼしそう。ハンデ戦に2歳戦。どちらもこれまでの成績だけで判断するのはちょっと頼りない感じもするだけに、こんな時こそ調教、といった意気込みで気持ち良く夏を締めくくりたいですね。

【札幌2歳S/ダイヤモンドハンズ】

 8月上旬の時点でトレセンニュースでも取り上げましたが、とても2歳とは思えない、素晴らしい動きを見せていたCWでの併せ馬。その後もCWでの追い切りを積み重ねており、2週前追い切り、1週前追い切りがともにCWで6F81秒台。これが実質的なレースへ向けた強い負荷だったと思います。

 その後、札幌競馬場へ移動して、最終追い切りは軽い内容になったようです。その動きを映像で確認してからの最終判断と思っていますが、少なくとも栗東へ帰厩してからの追い切りの動きを見ていると、主観的にはなりますが、ここで勝ち負けするだけの素質馬だという確信はあります。

調教Gメン研究所

最終追い切りは軽い内容のダイヤモンドハンズ(8月16日撮影)


【新潟記念/ヒートオンビート】

 前走七夕賞は宝塚記念に出走できずのスライド。暑さの厳しい時期だったことを考えれば、よく調子を維持して福島競馬場まで輸送できたなといった感じ。このあたりは陣営の手腕だと思いますが、その最終追い切りは坂路で4F57.6秒と軽い内容でした。

 だからというわけではないと思いますが、今回も最終追い切りは軽め。DPで単走、6F82.6秒は自分のストップウォッチで手動計測。ラストは11.6秒でしたが、最後の直線が2F続けて11.6秒で手応えは余裕十分。状態に関しては決して悪くないと思いますが、あとはレース当日の馬場状態、これが少し気になります。

調教Gメン研究所

状態に関しては決して悪くないヒートオンビート(8月31日撮影)


【新潟記念/スカーフェイス】

 左回りは7走してすべて馬券圏外。直近で左回りを走っていないので、重賞で好走するようになった今なら違う、という判断もできるでしょうが、それだけではなんとも言えないのは事実。ただ、重馬場では1着1回、3着1回という成績があり、そのうち3着は前走の函館記念ですから、雨は間違いなくプラスでしょうね。

 能力的にも大阪杯6着で、当時がメンバー最速上がりタイ。とにかく差しに回るようになって、最後の直線での脚は確実。今回もそんな脚を使えることをイメージさせてくれたのが、1週前追い切りのCWでの併せ馬。道中はゆったり走り、最後の直線で仕掛けると11.8秒から11.4秒というラップ。この動きを見せられたら、左回りの過去成績には目をつむってもよいのでは、と思ってしまいます。

調教Gメン研究所

左回りの過去成績にも目をつむってもよさそうなスカーフェイス(写真右、8月24日撮影)


【小倉2歳S/プロトポロス】

 デビュー戦でウメムスビに0.6秒差をつけての完勝。その後にウメムスビが勝ち上がり、フェニックス賞でも4着でしたから、2戦以上のキャリアがある馬との比較で、この馬の伸びしろがあれば、最上位評価すべきという見方も納得。それが予想単勝オッズでの人気に表れているような気がします。

 しかも、1週前追い切りのCWでの動きがド派手。軽く気合いをつけて追い出しただけで、10.9秒の伸びですから、そりゃあ期待したくなります。ただ、今回は最終追い切りが坂路で2F26.1秒。ラストは12.0秒でもそこに至るまでが14秒台のラップですから、ここが少し気になる部分ではあります。

【小倉2歳S/クリダーム】

 函館で新馬を勝って、函館2歳Sが2着。ここで人気するのは当然の実績でしょう。気になることがあるとすれば、ここまで2走が現地滞在だっただけに、栗東で追い切っての小倉輸送がどうかですが、正直、これは心配しても仕方ないところ。

 それよりも1週前追い切りの坂路での併せ馬が抜群すぎます。相手は同じ2歳でしたが、ふらふらする相手を横目にまっすぐと駆け上がって、2F24.1秒、1F11.9秒。素晴らしいの一言に尽きる動きで、パワーが必要な馬場になったとしても心配はありません。最終追い切りも時計的には素晴らしいので、あとは映像でその動きを確認してから評価したいと思っています。

◆次走要注意

・8/27 2歳新馬【スカパラダイス】(3人/1着)

 馬のことをよく知る今村聖奈騎手、50キロというアドバンテージはありましたが、それでも2着に3馬身つけた差は評価すべき。個人的にはまだまだ伸びしろがあると思っていますが、そのためにも馬体の成長があれば、より高いレベルでの戦いに対応できるんじゃないかと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]馬体重が470キロ台まで成長すればOP通用

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝2000m外回り>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎1週前追い切り以降に南Wで5F65秒以下をマーク
○追い切り本数が標準以上の併用系統

 2回、3回新潟開催の芝2000mはほとんどのレースが坂路の◎と○で決着。ただ、佐渡Sに関しては、1週前追い切りがCWで最終追い切りが栗東坂路の単勝6番人気が勝利しており、単なる併用よりも、1週前がトラック、最終が坂路という組み合わせがベストかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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