完勝した3走前の再現が望める
かつては「桜花賞」出走馬の好成績が目立ったが、現在は「オークス」との結びつきが強烈。最近10年、秋華賞で3着以内に好走した30頭中、20頭までが春のオークス出走馬によって占められる(桜花賞出走馬は14頭)。
また、秋華賞に出走した最近10年のオークス馬は【5-1-0-1】。さらに春の2冠牝馬の成績は【3-0-0-0】である。現在、オークスからの直行馬が4年連続勝ってもいる。したがって、スターズオンアース(父ドゥラメンテ)が人気の中心は当然。かなり強気になれる。
ただ、牝馬限定戦は、どの馬も過信禁物。そうそうパターン通りに決まるとは限らない。今年の上位人気馬には大きな差はないともいえる。
距離に大きな不安のあったオークスを0秒4差の3着したナミュール(父ハービンジャー)の逆転に期待したい。そのオークス以外は、大外枠、出負けなどのロスを克服し、5戦連続すべて上がり「33秒台」。春の2冠は、馬体重が426キロまで細化しギリギリの印象があった。
上がり33秒0で最後は馬なりで楽勝した2歳秋の赤松賞は、馬体重440キロ。0秒5差の3着がスターズオンアースだった。充電期間を取った今回は、馬体は回復。かつ成長して木曜計測で456キロ。阪神JFや桜花賞のような大外枠ではない。前が詰まりつつ進路を変更して楽勝したチューリップ賞の再現が望める。
牝祖格のクインナルビー(秋の天皇賞馬)から発展した牝系は、今はもう伝説のオグリキャップ、昨秋の米GIを勝ったマルシュロレーヌなど、意外性豊かな一族であり、桜花賞馬の3代母キョウエイマーチは1997年の秋華賞を2着している。
当然、オークス組が主力だが、近年侮れないのは紫苑S組。重賞になってまだ6年、計6頭の連対馬「1、2着」を送り、ローズS組を圧倒している。勝ったスタニングローズ、粘ったサウンドビバーチェだけでなく、上がり34秒6で1、2着馬と0秒1差の3着に突っ込んだライラックは怖い。サウンドビバーチェは他馬に蹴られて除外となったが、みんなオークス組でもある。