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【天皇賞秋・アルテミスS・スワンS予想】3強構造の天皇賞秋! 躍動した動きを見せた一頭

  • 2022年10月26日(水) 18時00分

先週時点ではやっぱりあの馬が本命になりそうでしたが…


 先週の菊花賞。レース前日に出演した競馬予想TV!でもコメントしたように「初の阪神競馬場への輸送があっても、これまでと変わりない仕上げをしてくるところが凄い」と思っていましたが、レース自体もいつもと変わらない強気な姿勢。人も馬も互いを「信じる」ことが大きなパワーを生み出す。予想は外してしまいましたが、そんなことをあらためて感じるレースという意味で、今後の自分自身の予想にも役立てていきたいと思います。

 今週は天皇賞秋。今の東京開催は毎週、競馬場で仕事をさせていただいていますが、とにかく感じているのは「差せる」ということ。これがコース替わりでも同じなのかどうか、予想には非常に重要な部分ですが、やっぱり予想の根幹は調教。そこできっちりと的中を目指していきたいと思います。

【アルテミスS/リバティアイランド】

 デビュー戦は坂路、芝、CWと多彩な追い切り馬場ではありましたが、5本の追い切り。それでもきっちり結果を残したのは夏場という、時季的な部分もあったかも知れません。今回は坂路とCWを併用して、6本の追い切り。併せ馬の本数が多いというのは前走時と変わっていませんし、最終追い切りの馬場がCWというのも同じ。

 前走時は新馬では破格といってもよい、3F36.4秒という時計をマークしていたので、それと比較してしまうと、今回の3F37.6秒が少し地味に思えてしまいます。6F時計は前走時とほぼ同じなので、決して悪くない仕上がり状態だと思いますが、あとは他との調教適性でどのような評価をするか、というところです。

調教Gメン研究所

決して悪くない仕上がり状態のリバティアイランド(10月25日撮影)


【スワンS/マテンロウオリオン】

 netkeiba.comの予想オッズは26日正午時点で1番人気。ちょっと意外でしたが、ダービー惨敗を除けば、連対を外していないわけですから、まあ人気するのかも知れません。この中間はたっぷりと追い切り本数を消化していて、量としては休み明けとは思えないくらい。ただ、1週前追い切りのCWでは楽に追いつくかと思ったのに、追い出しても追いつかないところがちょっと、という感じでした。

 最終追い切りはCWで単走。ゆえに先週との比較が難しいところですが、動き自体は軽快に見えましたね。いい意味でリフレッシュされたことで、前を捕まえることに対する気持ちの強さが足りないかも知れませんが、肉体的な仕上がりという意味では十分だと思います。

【天皇賞秋/ジャックドール】

 netkeiba.comの予想オッズをみていると、3強構造になっていて、そのうちの1頭。しかも東京芝2000mでは3戦2勝ですから、いろんな意味で有力視されるのは当然のことでしょう。1週前追い切りに関しては、トレセンニュースでもお伝えしたように、抜群の動き。やっぱりこの馬が本命になるかな、というのが先週の時点での評価。

 ただ、その後は調教内容として気になることが続いていて、たとえば先週末。白富士Sや金鯱賞の時は坂路で日曜追い切りを課していましたが、これがありません。そして、最終追い切りは前記2レースで併せ馬だったところが単走。時計も遅くなりました。この変化は見逃すわけにはいかないでしょう。

調教Gメン研究所

調教内容が気になるジャックドール(10月19日撮影)


【天皇賞秋/シャフリヤール】

 今年の2戦はいずれも海外。というわけで、今回が今年初の国内でのレース。ゆえに、4歳になってからの調教パターンというものに確立されたものがありませんが、一般的な休み明けの調教内容としては十分なものをこなしています。1週前追い切りのCWでは時計は遅かったものの、動きとしては躍動感にあふれていて、ゴール前では相手に脚を使わせる動きでした。

 最終追い切りは坂路だったようですが、動きはまだ確認していません。ただ、ラップ的にはラストが11.9秒の伸び。ここだけ見れば、ダービー1着よりも、JC3着よりも速い数字。これだけで判断するなら、やっぱり1週前に感じた、3歳時の追い切りよりも動きが躍動したというものは間違いないような気がします。

調教Gメン研究所

3歳時より躍動した動きを見せたシャフリヤール(写真中央、10月19日撮影)


【天皇賞秋/パンサラッサ】

 札幌記念以来になりますが、1週前追い切りがCWでの3頭併せ。最後はアルテミスSに出走予定のラヴェルとの追い比べになりましたが、相手も重賞で勝ち負けする素材間違いなしの馬でしたから、ゴール前はいい感じの負荷がかかったように思います。

 最終追い切りは坂路で4F目が最速になるラップ。4F時計は中山記念の時ほど速くありませんが、福島記念を勝った時と同じくらい。ただ、どちらの重賞でも1週前追い切りが坂路だったという調教パターンがあり、主観的には決して悪くない1週前のCWなんですが、客観的には評価を下げた方がよいのかなという感じです。

調教Gメン研究所

調教パターンが気になるパンサラッサ(10月25日撮影)


◆次走要注意

・10/22 アイビーS【オープンファイア】(2人/3着)

 逃げた馬が1着で番手が2着。スタートして最後方の時点で勝負あったといってもよいでしょう。それでもメンバー最速上がりを使って、3着は確保したわけですから、やっぱり能力はある馬。ここでの敗戦が、いずれは役立つという時が来るような気がします。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りがCWで併せ馬を追走していれば勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1400m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F52.0秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で3F目以降が12.5秒以下

 昨年のスワンS。1着馬はこれらの調教適性に該当していませんでしたが、2着3着はいずれも最速の◎に該当。10番人気8着も◎でしたが、これがメンバー最速上がり。展開が向くようなら、最速の◎はかなり重要です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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