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芝からダートに鞍替えして頂点を極め人馬ともにGIウィナーに

  • 2022年12月05日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・12/4 チャンピオンズC(GI・中京・ダ1800m)
 中団馬群につけたジュンライトボルトが直線で鋭く伸び、先に抜け出したクラウンプライドをクビ差とらえました。芝路線からダート路線に鞍替えして頂点を極めるという、ジャパンCを勝ったヴェラアズールと真逆のパターンです。4走前のダート転向緒戦は、久々と落鉄の影響で2着と敗れたものの、そこから3連勝でGIウィナーの仲間入りを果たしました。

 これでキングカメハメハ産駒はレース単独首位となる通算3勝目を挙げたことになります。エアグルーヴ牝系はキングカメハメハと相性抜群で、ドゥラメンテ、ルーラーシップ、アンドヴァラナウトなど多くの活躍馬が出ています。

 本馬もこのパターン。「キングカメハメハ×スペシャルウィーク」はリオンディーズと同じ組み合わせ。本馬は2代母ソニックグルーヴがパワー型のフレンチデピュティを父に持ち、なおかつ前肢の繋ぎが急角度に立っていて硬く、デビューすらできなかったという馬だったので、その影響もあってダートをこなしたのではないかと思われます。4分の3兄グルーヴィット(父ロードカナロア)は中京記念の勝ち馬ですが、新馬-500万下とダートで連勝しています。

・12/3 ステイヤーズS(GII・中山・芝3600m)

 好位のインを追走したシルヴァーソニックが最内を突いて抜け出しました。母エアトゥーレは阪神牝馬Sの勝ち馬で、フランスへ遠征してモーリスドゲスト賞(仏G1・芝1300m)で2着という成績があります。繁殖牝馬としても非凡な才能を示し、本馬の他にキャプテントゥーレ(皐月賞など重賞4勝)、アルティマトゥーレ(セントウルS、シルクロードS)、クランモンタナ(小倉記念)を産んでいます。重賞勝ち馬を4頭出す、というのはごく稀なことであり、偉業です。

 オルフェーヴル産駒はステイヤーズSに高い適性があり、2020年は1着オセアグレイト、2着タガノディアマンテ、2021年は2着アイアンバローズ、3着シルヴァーソニック、そして今年はシルヴァーソニックが勝ちました。来年も上位争いに加わってくるのではないかと思います。

今週の血統注目馬は?


・12/10 エリカ賞(2歳1勝クラス・阪神・芝2000m)
 マイネルエンペラーは「ゴールドシップ×ロージズインメイ」という組み合わせ。この配合は、オークス馬ユーバーレーベンをはじめコンスタントに勝ち馬が出ているニックスで、2歳時の芝2000mでは連対率40.0%と優秀な成績を挙げています。

 マイネルエンペラーの前走の新馬戦は、今回と同じコースで完勝しています。ユーバーレーベンの全弟にあたる良血で、今回も楽しみです。

今週の血統Tips


 阪神ジュベナイルフィリーズで好走する馬は、普通サイズよりも大きめであることが多い、というのが過去の傾向です。過去10年間の連対馬の平均馬体重は462kg。

 一方、過去10年間の師走の阪神開催で牝馬限定戦に出走した馬の平均馬体重は451kgです。一流の成績を残す牝馬は、2歳時からそれなりの馬格を備えています。連対馬20頭中、半数の10頭は470kg以上でした。

 もちろん例外はあり、昨年の2着馬ラブリイユアアイズは428kg、2013年の勝ち馬レッドリヴェールは418kgしかありませんでした。440kg未満で連対した馬はわずか4頭しかいません。迷ったら大きな馬を狙う、というのは単純ながら使える戦法です。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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