スマートフォン版へ

【中山記念・阪急杯予想】前走からは一目瞭然! スタニングローズの坂路時計に注目

  • 2023年02月22日(水) 18時00分

春のGIを目標とする各馬の状態は


 先週は東京競馬場。フェブラリーSを観戦することができましたが、パドックでメイショウハリオの姿を見て「勝つ馬はこれしかない」と思ったと同時に、レッドルゼルの姿を見て「無印はやばい」と。CWでの追い切りを積み重ねることで、あんなにスレンダーでマッチョな体になるんだと驚かされました。

 事前予想の段階でパドックではこうなるだろう、と予想しているつもりでしたが、たまにはこんなこともあるので許してください。さあ、今週は中山記念と阪急杯。春のGIに重要な前哨戦ですし、これはある程度、調教内容でレース当日の状態が判断できるはずです。

【中山記念/ダノンザキッド】

 昨年の同レースは7着。ホープフルSで中山競馬場は実績があるのに、皐月賞の惨敗が尾を引いているのかなというような負け方でした。マイルCS2着、香港C2着というGI実績を考えれば、ここでは最上位でしょうが、やっぱり気になるのは中山ですよね。

 ちなみに昨年は2週前追い切り、1週前追い切り、最終追い切りがすべてCW。これに対して、今年は2週前と1週前はCWでしたが、最終は坂路。近走は最終追い坂路で結果を出しているだけに、このパターンはいいと思いますし、2週前と1週前の時計が速い点は昨年と違います。ということで、昨年とはちょっと違ってくる可能性は大です。

調教Gメン研究所

坂路で結果を出しているダノンザキッド(2月21日撮影)


【中山記念/スタニングローズ】

 高野友和厩舎らしく、坂路オンリーの調整。中山芝1800mですから、トラックを併用していないことはマイナス、と言いたいところですが、この馬自身はこの条件で結果を出しています。エリザベス女王杯は最終追い切りの時計が遅いことが敗因のひとつだと考えているので、ここが問題なければ、という感じはあります。

 その最終追いは坂路で4F52.7秒。前走が55.5秒、秋華賞1着が53.0秒ですから、どちらのパターンに該当するかは一目瞭然。ちなみに休み明けの紫苑Sは最終追いが坂路で4F52.6秒。当時はラスト11秒台ですから、この馬自身の調教内容としては、隙がないといったところでしょう。

調教Gメン研究所

調教内容としては、隙がないスタニングローズ(写真中央、2月21日撮影)


【阪急杯/グレナディアガーズ】

 阪神芝1400mは3戦2勝。うち2回は阪神カップで1着2着ですから、ベスト条件といってもよいでしょう。ちなみに半年ぶりだった昨年の阪神Cは2週前追い切りと1週前追い切りがCW。今回は2週前だけがCWですが、これはレース間隔を考えれば、全く問題ありません。

 そして、最終追い切り。前走が53.3秒、37.8秒、23.8秒、11.6秒に対して、今回は52.5秒、37.6秒、23.9秒、11.8秒。数字は全体時計が今回の方が速く、後半のしっかり具合は変わりなし。実際の動きを見て、最終的な印を決めるつもりですが、この数字には文句のつけようがありません。

調教Gメン研究所

数字には文句のつけようがないグレナディアガーズ(2月21日撮影)


【阪急杯/アグリ】

 札幌で1勝Cを勝った後は阪神芝1400mで2連勝。初重賞挑戦にもかかわらず、netkeiba.comの予想単勝オッズは2番人気ですから、ちょっとびっくり。ただ、追い切りの動きは本当に素晴らしくて、2週前追い切りが坂路4F50.8秒で自己ベストを更新。2F23.7秒と凄まじい後半の脚力を見せています。

 1週前追い切りも坂路で2F23.8秒でしたが、最終追い切りは軽く済ませて、坂路4F53.2秒。これはいつものパターンですが、むしろいつもよりは速いくらい。個人的には実績を考えると、あまり高い評価をするのはどうかなと思いますが、これだけの調教内容なら、さすがに軽視するわけにもいきません。

調教Gメン研究所

軽視するわけにもいかない調教内容のアグリ(2月21日撮影)


【阪急杯/ホウオウアマゾン】

 netkeiba.comの予想単勝オッズは3番人気。近走成績を見ると、なんで、と思う部分もありますが、いろいろ度外視するとそうなるんでしょうか。ただ、1週前追い切りを見るとこれは人気過剰だと思っちゃいます。なぜなら、ブリンカーを着用したCWでの3頭併せで、脚色怪しくなった先行馬を追い抜けなかったこと。雪の影響を受けた馬場だったとはいえ、ちょっと物足りません。

 でも、最終追い切りの坂路では4F51.8秒。これは自己ベスト更新ですし、2F24.6秒も速い時計。実際の動きを見ないと、なんとも判断できませんが、1週前と比べて、そんなに動くもんか? というくらい驚きの数字。とにかく、この解説は重賞捜査網でしっかりと行いたいと思います。

調教Gメン研究所

驚きの数字を出したホウオウアマゾン(2月21日撮影)


◆次走要注意

・2/19 小倉大賞典【ロングラン】(3人/4着)

 結果的には人気先行でしたが、栗東に滞在して、その時に見せたCWでのラスト2Fは本物のはず。どこかのタイミングで重賞を制覇できる、そんな実力の持ち主ではあると思います。

[メモ登録用コメント] [中距離]最終追いが南Wでラスト1F11秒台なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1400m>
◎追い切り本数が標準以上で併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F52.9秒以下
◎最終追い切りが坂路馬場で2F24.9秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 昨年の阪急杯は1着が標準多め坂路主体。そして、1着と3着が2F24.9秒以下には該当しています。3頭すべてに共通したのが、4F目最速ラップ。今年も最終追い坂路が基本にはなりますが、その時計とラップにも注目です。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング