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重賞4勝目のソングライン 東京コースではつねに重視が必要

  • 2023年05月15日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・5/14 ヴィクトリアマイル(GI・東京・芝1600m)
 馬群を割って伸びたソングラインがゴール直前でソダシをアタマ差とらえました。昨年の安田記念以来となるGI制覇で、重賞は国内外を含めて4勝目となります。東京芝1600mはこれで[4-1-0-1]。2着と敗れたNHKマイルCはハナ差負けで、5着と敗れた昨年のこのレースは3コーナーで躓く不利がありました。理由なく凡走したレースはなく、今回の勝利で東京芝1600mにおける強さをあらためて印象付けました。

 父キズナはアカイイト(エリザベス女王杯)、ディープボンド(フォワ賞、阪神大賞典2回、京都新聞杯)、バスラットレオン(ゴドルフィンマイル、1351ターフスプリント、ニュージーランドトロフィー)などの父。JRAの重賞はこれで20勝となりました。このほか海外4勝、地方競馬のダートグレード競走を3勝しています。

 GIを勝った本馬とアカイイトはいずれも「キズナ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。3代母ソニンクの一族は、ダービー馬ロジユニヴァース、秋華賞と英G1ナッソーSを勝ったディアドラ、青葉賞を制したスキルヴィングをはじめ多くの活躍馬を出しており、とくに東京芝コースの重賞では15戦7連対(連対率46.7%)と抜群の成績です。今後も東京コースではつねに重視しなければならない馬でしょう。

・5/13 京王杯SC(GII・東京・芝1400m)

 後方待機策のレッドモンレーヴが直線で大外から伸びて鮮やかに差し切りました。三度目の重賞挑戦で初制覇、初の1400m戦も合っていたのでしょう。母ラストグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に選出されたエアグルーヴの末娘で、グルヴェイグ(マーメイドS)の全妹、アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回)の4分の3妹、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)の半妹にあたる超良血。繁殖成績も優秀で、これまでに競走年齢に達した5頭はすべて勝ち上がり、レッドモンレーヴの他にランフォザローゼス(青葉賞2着)、レッドルレーヴ(フラワーC2着)などが出ています。

 エアグルーヴ牝系はキングカメハメハ系と相性抜群で、このパターンからドゥラメンテ、ルーラーシップ、ジュンライトボルトなど多くの活躍馬が誕生しています。キングカメハメハの息子ロードカナロアとの組み合わせからは、レッドモンレーヴの他にグルーヴィット(中京記念)が出ています。同牝系の同父ですから、この2頭は血統構成がよく似ています。1400m戦で新境地を開いたので、もし仮にもう1ハロン短縮して1200mに対応するようなら、秋のスプリンターズSでも楽しみな存在になります。

今週の血統注目馬は?


・5/21 鳳雛S(L・京都・ダ1800m)
 ツウカイリアルは「ホッコータルマエ×シンボリクリスエス」。この組み合わせは出走5頭中4頭が勝ち上がっているニックスで、連対率32.5%、1走あたりの獲得賞金額199万円と優秀。この配合はコーナー4つの中距離戦に強く、ダート1700〜1800mで19戦7連対(連対率36.8%)。前走のヒヤシンスSはワンターンの東京ダート1600mで、1番枠から出て中団でレースを進めたものの、レース上がりが速く、直線で伸びませんでした。この馬のレーススタイルに合わなかったので致し方ないでしょう。今回はコーナー4つの1800m戦なので期待できます。

今週の血統Tips


 桜花賞は先に行った馬、内を回った馬に有利な馬場コンディションでした。それをものともせず、4コーナー16番手から大外を回って差し切ったリバティアイランドのレースぶりは、ケタ違いというほかない衝撃的なものでした。同じく後ろからレースを進めた馬のなかではシンリョクカが目を惹きました。4コーナー11番手から6着。リバティアイランドの派手な勝ちっぷりの陰に隠れていますが、決して悪くないパフォーマンスだったと思います。父サトノダイヤモンドは晩成タイプで、距離が延びてから良さが出てくるタイプ。先日の京都新聞杯をサトノグランツが勝ちました。この時季の芝2400m戦は合うはずです。3着以内を狙える馬でしょう。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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