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【善臣騎手→小崎綾也騎手・武藤雅騎手へ】「頭を使って人よりも努力をしないと、何も変わらない」最年長ジョッキーからの金言

  • 2023年05月29日(月) 18時01分
soudanyaku

▲後輩騎手2名からの質問・相談に回答(撮影:高橋正和)


JRAが誇る最年長ジョッキーで、日本騎手クラブの“相談役”を務める柴田善臣騎手。ファンからも競馬関係者からも信頼の厚い善臣騎手が“相談役”として、皆様のお悩みや質問に、自らの体験談を織り交ぜながら答えていくリレーコラムです。

今回は、小崎綾也騎手と武藤雅騎手への回答編。若手のおふたりからの相談・質問に、39年間の現役生活で培った経験から、相談役ならではのアドバイスを送ります。

ジョッキーという職業に限らず、様々な場面でブレイクスルーのきっかけとなる相談役からのお言葉。ファンの皆様もぜひ受け取ってください。
(取材・構成=netkeiba編集部)

「どこかでご褒美や息抜きも必要でしょ?」


──小崎騎手は相談役と接点がないと話していましたが、本当ですか?

相談役 うん。確かに全くないね(笑)。

──小崎騎手について印象は?

相談役 何年か前に海外に乗りに行ったニュースを目にした覚えがある。ヤル気がある子なんだな、応援したいな、って思ったよね。

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▲2017年にオーストラリア、2022年にアイルランドで武者修行を行った小崎騎手(C)netkeiba.com


──そんな小崎騎手からの質問は「現役を長く続けるために、若い頃からやっておいた方がいいことは?」です。

相談役 なるほど…。それは“自分の体を知ること”かな。

──と、言いますと?

相談役 俺も若い時にケガをして長く休んだことがあったんだけど、復帰へ向けてトレーニングをする際に色んなトレーナーに教わったり、ジムに通ったりしたんだ。でも結局、しばらくすると体を壊しちゃうんだよ。それも1回や2回じゃない。毎回なんだよ。

──どういうことですか?

相談役 皆さん体作りの専門家なんだろうけど、ジョッキーの体については分かっていなかった。あくまで昔の話だけどね。だからそれからは自分の体は自分で考えて作るようにしたんだ。

──となると相談役は今もひとりでトレーニングしてるんですか?

相談役 うん、そうだよ。自宅で腕立てや腹筋、ストレッチをしたり。今は膝とか股関節、首も悪いから走るのはしんどいんで、有酸素運動だけはジムで自転車を漕いでるけど。

──ええ…。自重(じじゅう)で鍛えてるんですか?

相談役 そう。もちろん適当にやってるわけじゃないよ。ストレッチの角度や、腹筋への負荷のかけ方とか、自分なりに考えてやるわけ。

──自分が自分のトレーナーになるんですね。

相談役 うん。そうすると同じことだけじゃなくて、臨機応変にメニューを変えることもできる。体の状態は日々、変化するわけだから、それに応じてトレーニング内容も変わらなければおかしいでしょ? だから色んな方法を模索し続けているし、今だに新しい発見もあるよね。

──でも最近はジョッキーの体に詳しいトレーナーもたくさんいらっしゃいますよね。

相談役 もちろん。でもトレーナーとの相性は人それぞれだろうから、まずは自分にあったやり方を見つけて、その知識を自分のものにすることが大切だと思うよ。それを早く身につけられれば、長く現役を続けることができるんじゃないかな。

──メンタル的な部分はどうでしょう?

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1966年7月30日、青森県生まれ。元調教師の柴田政見、柴田政人、元騎手の柴田利秋が叔父にいる競馬一家。1985年にデビュー。同期は須貝尚介、武藤善則、石橋守ら。JRA騎手としては初となる黄綬褒章を受賞。1993年、ヤマニンゼファーで安田記念を勝利しGI初制覇。2005年から2010年まで日本騎手クラブの会長を務め、退任とともに相談役に就任。勝つごとにJRAにおける最年長勝利記録が更新されていくレジェンド。

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