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父の雪辱を果たしたイクイノックス キタサンブラックは種牡馬ランキングで急上昇中

  • 2023年06月26日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ



・6/25 宝塚記念(GI・阪神・芝2200m)

 後方に控えたイクイノックスが直線で大外に持ち出して伸び、スルーセブンシーズの追撃をクビ差抑えてGI4連勝を達成しました。

 130円という単勝配当は、2010年以降、古馬が出走可能な平地GIのなかで1位タイの低配当。13年高松宮記念のロードカナロア、13年スプリンターズSのロードカナロア、21年ヴィクトリアマイルのグランアレグリアに並びました。

 父キタサンブラックは宝塚記念に二度挑戦していずれも勝てなかったので、父の雪辱を果たしたことにもなります。

 2023年の総合種牡馬ランキングでキタサンブラックは現在7位。

 イクイノックス以外にも、ソールオリエンス(皐月賞、京成杯)、スキルヴィング(青葉賞)、コナコースト(桜花賞2着)などの活躍もあって順位を上げています。初年度産駒がまだ4歳と、稼働している世代が少ないことを考えれば、この順位はきわめて優秀です。

 イクイノックスは今年の下半期、海外へ行かずに国内競馬に専念する予定なので、仮にジャパンC、有馬記念を勝つようなことがあれば、これらは1着賞金が5億円なので、さらに順位を上げることになります。現在、ランキングトップのロードカナロアとは10億円弱の差です。

・6/25 新馬戦(阪神・芝1800m)

 最後方を追走したギャンブルルームが直線で最内を突き抜け、後続に5馬身差をつけました。キズナ産駒は今年の2歳戦初勝利。2歳のキズナ産駒は血統登録頭数が168頭と世代最多で、良血の繁殖牝馬から誕生した仔も多いので期待できます。

 ノーザンファーム生産のキズナ産駒は前年まで年間10頭前後で推移していたのですが、この世代は32頭。一気に約3倍となりました。ギャンブルルームはその1頭です。母シャンデリアハウスは芝で3勝クラスまで出世しました。

 同馬はオレハマッテルゼ(高松宮記念、京王杯SC)、エガオヲミセテ(マイラーズC、阪神牝馬特別)、フラアンジェリコ(京成杯オータムH)の兄弟にあたる良血で、母の父ヴァーミリアンはJRA賞最優秀ダートホースに選出された砂の名馬ですが、2代母カーリーエンジェル(年度代表馬エアグルーヴの半姉)から受けた影響がより大きかったのか、芝向きとなりました。

 ギャンブルルームの勝ちっぷりは文句なし。秋には重賞で走っているのではないでしょうか。

今週の血統注目馬は?



・7/2 巴賞(OP・函館・芝1800m)

 函館芝1800mに強い種牡馬はルーラーシップ。2013年以降、当コースで産駒が20走以上した33頭の種牡馬のなかで連対率26.2%は第4位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワンです。バジオウは函館初参戦ですが、小倉大賞典(GIII)3着の成績があるように小回りコースの適性は十分。初の洋芝競馬で眠っていた素質が開花するかもしれません。

今週の血統Tips



 2歳戦の最初の1ヵ月間(4週間)が終了。JRAの2歳種牡馬ランキングのトップはモーリスです。ここまで4勝、4190万円を稼ぐという幸先のいいスタートを切っています。新種牡馬トップはスワーヴリチャード。ブリックスアンドモルタルと同じく2勝を挙げていますが、賞金比較で228万円上回りました。

 スワーヴリチャードは新種牡馬の血統登録頭数では第9位でしたが、後期育成で産駒の動きが評判となり、大きく評価を高めました。初勝利を挙げるまでに9戦を擁したものの、その後2連勝。

 デビュー戦で惜敗したドナヴィーナスやシトラールは勝ち上がるまでに時間は掛からないでしょうし、評判馬がまだまだデビューを控えているので、夏から秋にかけてスワーヴリチャード産駒が旋風を巻き起こすかもしれません。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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