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【西村淳也騎手】コンビで勝率100%! “心強い相棒”エルトンバローズと初めてのGI獲りへマイルCSに挑む!

  • 2023年11月12日(日) 18時01分
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▲マイルCSに出走予定のエルトンバローズと西村淳也騎手(撮影:下野雄規)


新馬戦から3度の2着があるなど、惜しい競馬が続いていたエルトンバローズ。デビュー5戦目で初コンビを組んだのが西村淳也騎手でした。

そこで初勝利を挙げて以降4戦連続で手綱をとり、4連勝でGII・毎日王冠を制覇。ついにGIの舞台に初出走します。

西村淳騎手も「伸びしろしかない」とコメントするように、未だ底を見せないエルトンバローズの強みと、マイルCSへの意気込みをお聞きしました。

(取材・構成:松山崇)

「仕掛けた瞬間にビュン」好メンバーを相手に勝利した毎日王冠


──エルトンバローズにはデビュー5戦目から手綱を取って、ここまで西村騎手とは4戦4勝。手が合いますね。

西村 本当に、いいタイミングで依頼していただきました。

──初めて跨った時の印象を教えてください。

西村 レース後に「(未勝利は)勝たなくてはいけない馬」とコメントで出した通り、未勝利にいる馬ではないと感じました。期待通り勝ってくれましたが、まだその時点ではトモの緩さも残していたので、その辺りが成長してくれば重賞を狙えるのではないかという感触はありましたよ。

──西村騎手が感じる、この馬の強み・長所とは?

西村 「人に対して素直な点」でしょうね。折り合いも心配ありませんし、人間の指示を素直に聞いてくれます。「走っていいよ」と合図を送るとすぐに反応してくれますね。

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▲「『走っていいよ』と合図を送るとすぐに反応してくれる」(撮影:下野雄規)


──ラジオNIKKEI賞は早めに動いての勝利、毎日王冠は直線で前があくまで我慢しての抜け出しと、まさに操縦性の高さが窺えますね。

西村 はい。まさに毎日王冠では、仕掛けた瞬間にビュンと伸びてくれました。

──毎日王冠はソングライン、シュネルマイスターというGIホースを降しての勝利でした。レース前の手応えはいかがでしたか?


西村 自分は、どのレース、どの馬に乗る時でも自信を持って乗ることを心掛けています。それは毎日王冠の時も変わりません。ただ、さすがに強い相手だな、いいメンバーが揃ったなという感じで、楽な競馬にはならないだろうとは想像していました。

──上位4頭がハナ、ハナ、アタマという大接戦を制しての1着。

西村 ゴールした瞬間は勝っているという確信はなくて、祈るような気持ちでした。よく勝ち切ってくれたなと思いますし、強敵相手に真っ向勝負でぶつかった経験は、さらなる成長に繋がると思います。

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▲毎日王冠はゴール前で大接戦「祈るような気持ちでした」(撮影:下野雄規)


──レース後には西村騎手から「伸びしろしかない」というコメントも出ていました。

西村 馬体重こそ変わっていませんが、シルエットが示す通り、筋肉の質が変わって、どんどん力を付けてきているのが伝わってきます。それでもまだ3歳ですから、これから強くなってくる時期が来るはずですし、実際、人に対して素直だと言いましたが、まだまだ気性面で子供の部分も残しています。それらが解消すれば、一段とレベルアップしてくれるでしょう。毎日王冠の勝利は、馬にとっても自信になったと思います。

「勝ち切れる騎手になりたい」ブレイク真っ只中の6年目


──杉山晴紀調教師は毎日王冠のレース後のインタビューで、西村騎手について「彼のここ1、2年の競馬に対する姿勢は目を見張るものがありました。厩舎も彼も、さらに成長していきたいですね」とコメントされていました。

西村 ありがたいですね。ただ、自分としては、この1年2年で何かを変えたという意識はないんです。デビューの頃からずっと、常に「勝ちたい」「1着になりたい」ということだけを考えてやってきました。時に、空回ってしまうこともあるのですが(笑)、この姿勢は今も変わっていません。

──とはいえ、デビュー以来の勝利数は13→55→50→51→72→66(11月5日現在)と伸びてきており、リーディング順位も20位前後だったところから、トップ10入りを狙えるところまできています。

西村 それはもう、いい馬にたくさん乗せていただいたことに尽きると思うので、関係者の皆さんに感謝しかないです。敢えて成績が上がった理由を探すなら、「勝ちたい」「1着になりたい」という気持ちの部分に、経験という要素が積み重なったのかなと。少しずつ、経験してきたものをレースで発揮できるようになってきたのかもしれません。

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▲気持ちの部分に経験も積み重なって良い結果に(撮影:下野雄規)


──2023年はここまで重賞4勝。重賞への騎乗機会も大幅に増えています。

西村 たくさん依頼していただいた結果なので、本当にありがたく思っています。4つ重賞を勝たせていただきましたが、2着もたくさんありました。競馬は勝たなければいけない、2着ではダメだと思っているので、この悔しさを糧にして、勝ち切れる騎手になりたいと思っています。

──話はエルトンバローズに戻りますが、いよいよGIへの挑戦となります。西村騎手にとってGIとは、どういう存在でしょうか?

西村 ジョッキーなら誰もが憧れる、勝ちたいと願う舞台ですよね。これまでGIに騎乗するチャンスをいただいた時も、「この馬で勝てなかったら、勝つのはどういう馬なんだろう」と考えたりもしましたが、今回、エルトンバローズという心強い相棒と、その舞台に立つチャンスをいただけたので、何とか夢を掴みたいですね。

──マイルCSは京都芝1600m。この条件については?

西村 内回りとはいえ京都芝コースに勝ち鞍はありますし、ここ2戦は1800mでしたが、1600mになることも全く問題ありません。これ以上ない、強いメンバーと戦うことになりますが、「あの子(エルトンバローズ)がどこまで戦えるのかな」とワクワクしています。

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▲「どこまで戦えるか。ワクワクしています」(撮影:下野雄規)


──では最後に、ファンの皆さんに向けて、意気込みをお願いします。

西村 人馬ともに初めてのGIを獲りたいと思っています。応援、よろしくお願いします。

(文中敬称略)

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