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【B.ムルザバエフ騎手】“カザフスタン出身”の世界で戦う31歳! シンエンペラーと共にホープフルS連覇に挑む

  • 2023年12月24日(日) 18時01分
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▲ホープフルSに出走予定のシンエンペラーに騎乗するB.ムルザバエフ騎手(中)。団野大成騎手(左)と坂井瑠星騎手(右)と(撮影:大恵陽子)


昨年に続き短期免許で来日中のバウルジャン・ムルザバエフ騎手。昨年は短期免許取得直後のホープフルSを14番人気ドゥラエレーデで勝ち、大きなインパクトを残しました。その思い出深いホープフルSで今年騎乗するのは凱旋門賞馬の全弟・シンエンペラーです。

また、翌日には東京大賞典でドゥラエレーデと再コンビ。前走・チャンピオンズCは友人・坂井瑠星騎手の3着に敗れましたが、大井で勝利を目指します。

実家が牧場を営んでいるというカザフスタン出身のジョッキーに生い立ちからGIに挑む2頭のことまで伺いました。

(取材・構成:大恵陽子)

凱旋門賞馬ソットサスの全弟「まさか自分が乗れるなんて」


──ムルザバエフ騎手にとって連覇のかかるホープフルS。今年はシンエンペラーと初コンビを組みます。

ムルザバエフ 藤田晋オーナー、矢作芳人調教師には、素晴らしい馬に騎乗させていただき感謝していますし、乗せていただけてすごく光栄です。20日に追い切りに乗って、すごくいい馬だと感じました。

 過去2戦の映像を見るとまだまだ子供っぽくて、能力を全て出しきっていない印象で、追い切りに乗った感じもそうでした。悪いことではないですけど、まだ子供なので色んな物を見たいのだと思います。レースまでに少しでも精神的な部分が成長していたらいいなと思います。勝つ能力は十分な馬ですし、フィジカルとコンディションは素晴らしいです。

──モレイラ騎手が乗った前走・京都2歳Sは残り200mではさすがに届かないのでは、と思う位置から素晴らしい脚で勝ちました。

ムルザバエフ あのレースはリアルタイムでテレビ観戦していて、たしかにあの位置は厳しいかなと思いました。あそこで勝てるのはそれだけ能力のある馬にしかできないことですし、ましてや凱旋門賞馬ソットサスの全弟ですごく注目していたので、「すごいなあ」と見ていました。あの時は、まさか自分が乗れるなんて思ってもみませんでした。

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▲2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟シンエンペラー(C)netkeiba.com


──では、騎乗依頼が来た時のお気持ちは?


ムルザバエフ すごく嬉しかったです。騎乗依頼をいただくことはどの馬でも嬉しいですが、特別な馬への依頼でものすごく嬉しかったです。

──まだ幼さを残す2歳馬に騎乗する際のポイントなどはありますか?

ムルザバエフ 馬のメンタルは急には変えることはできないので、子供っぽい部分もリスペクトしながら乗っています。シンエンペラーの特徴として、誰か馬のそばにいた方が奮起している印象があるので、そこは意識して乗ろうかなと思います。

──ホープフルSへの意気込みをお願いします。

ムルザバエフ 日本のGIを勝つのはそんなに簡単なことではないので、そこで戦えるのはすごく光栄なことです。精一杯頑張ります。

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▲「シンエンペラーは馬のそばにいた方が奮起する」とムルザバエフ騎手(撮影:下野雄規)


「7歳から馬に乗っていて、ずっとジョッキーになりたかった」


──ムルザバエフ騎手ご自身のことも教えていただきたいです。中央アジアのカザフスタン出身で、ご両親が競走馬を所有しているとか?

ムルザバエフ 家族が牧場を持っていて、そこに40頭くらいの競走馬と他にも色んな動物がいます。カザフスタンは国土面積が世界第9位。それに対して人口は1960万人くらいしかいないので土地が広大です。40頭だとカザフスタンではそんなに大きな牧場ではないですけど、国内には大きな牧場が多いです。

──では幼い頃から騎手になりたいと思っていたんですか?

ムルザバエフ 7歳から馬に乗っていて、ずっとジョッキーになりたいと思っていました。カザフスタンは競馬の規模が小さいので、チェコの競馬学校に行きました。いま、馬と共に世界を渡り歩けています。

──世界を渡り歩く上で、その国での実績は重要な要素だと思います。そういう意味では昨年のホープフルS制覇は大きかったのではと思いますが、日本でのGI初制覇を振り返っていかがですか?

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▲ホープフルSをドゥラエレーデで制した(撮影:下野雄規)


ムルザバエフ GIを一つ勝つことはすごく特別なことですが、あの時は日本で短期免許を取って2週半目。勝てたことで日本での騎手人生のとても大きな助けになった出来事でした。

──ファンの間でもムルザバエフ騎手への印象が大きく変わったように思います。そのドゥラエレーデとは先日のチャンピオンズCで再びコンビを組みました。久しぶりに乗って変わった点などは感じましたか?

ムルザバエフ 精神面の成長を感じました。僕とコンビを組んでのダート戦は初めてで、いいレースができたと思います。

──ゴール前は内のテーオーケインズとの3着争いを制しました。ホープフルSも接戦でしたし、追い比べに強いのでしょうか。

ムルザバエフ 彼自身がそういうのが好きなんじゃないかなと思います。

──チャンピオンズCを勝ったレモンポップには仲のいい坂井瑠星騎手が乗っていました。

ムルザバエフ 瑠星くんが勝ったことはすごく嬉しかったです。

──ドゥラエレーデのダート適性はどう感じましたか?

ムルザバエフ 芝とダートで1回ずつしか乗っていないので何とも言えないですが、どちらも適性があります。ただ、ダートでポジションが取れなくてキックバックを受けた時にどうなるかが分からない部分はあります。

──チャンピオンズCで2番手外を取ったのは砂を被りたくなかったからですか?

ムルザバエフ そういうことは特に考えていませんでした。僕が乗ると彼はいつもスタートが速いので、それを生かしてGIなのでいいポジションを取りたくて、瑠星くんが逃げた2番手横につけられました。たまたまその隊列になっただけです。

──12月29日の東京大賞典に出走予定です。こちらも期待しています。

ムルザバエフ 今年1月にTCK女王盃でプリティーチャンス(3着)に騎乗して以来の大井競馬場です。頑張ります。

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▲ホープフルSと東京大賞典のダブル制覇なるか(撮影:大恵陽子)


(文中敬称略、当コラムの次回更新は1月21日(日)18時予定です。)

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ジョッキーや調教師など、毎週“旬”な競馬関係者にインタビュー。netkeiba特派員がジョッキーや調教師、厩舎スタッフなど、いま最も旬な競馬関係者を直撃。ホースマンの勝負師としての信念から、人気ジョッキーのプライベートまで、ここだけで見せてくれる素顔をお届けします!

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