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クリスマスイヴに二人で叫んだこと…「小牧太に1頭を!」新エージェントと勝負の2024年へ

  • 2023年12月26日(火) 18時01分
太論

▲今回も話題が盛りだくさんです(撮影:桂伸也)


クリスマスエルフ賞のワンダーブレットは3着! 最後の最後に今年一番の走りを披露してくれました。小牧騎手も「後ろから行く競馬にも慣れてきたし、来年はこの馬で1勝できるかもしれん」と期待十分。今後はまだ未定とのことですが、次走が待ち遠しい限りです。そのワンダーブレットのレース回顧に加え、クリスマスイヴに出席した忘年会の話題や年末年始の予定などなど、今回も盛りだくさんの『太論』。最後までどうぞお楽しみください!

(取材・文=不破由妃子)


今年は31日まで調教に乗って、年明けは2日からまた調教に乗ります!



──クリスマスエルフ賞(12月24日・阪神9R・3歳以上2勝クラス・ダ1800m)のワンダーブレットは3着。今年最後に力を見せてくれましたね。

小牧 ああ、惜しかったね。でも、最後にいい競馬ができたわ。後ろから行く競馬にも慣れてきた。脚質転換やね。

──途中からポジションを上げていく形になりましたが、ああいう展開も想定していたんですか?

小牧 また外枠が当たってくれたから、前半は揉まれんように外でじっくり乗って、途中からは前回と同じような(途中から動いていく)競馬をしようかなと思っていた。そこから直線は大外を伸びるイメージやったね。

──ということは、ほぼイメージ通りだったんですね。

小牧 いや、もう一呼吸、動き出すのを遅らせればよかったと思って。あそこでちょっと脚を使わせたぶん、もうひと踏ん張りが利かんかった。結果論やけど、もう一呼吸おいていれば、2着はあったかもしれん。まぁ勝った馬は強かったけどね。出遅れてハナに行って、最後はあれだけ突き放すんやから。

──ですね。とはいえ、小牧さんのレース後のコメントにもあったように、このクラスでも十分通用することを証明した。

小牧 そうやね。来年はワンダーブレットで1勝できるかもしれん(笑)。最近はいい意味でピリピリし出してね。考えてみたら、少し前はおとなしすぎたから、これくらいピリピリしているのがちょうどいいんかなと思って。最近は詰めて使っているけど、身体も減らんし、いいことやね。まぁ今回でいうと、毛ヅヤはもうひとつだけど。

──それは季節的なものもあるのでは?

小牧 そうかもしれんけど、この馬が本当にいいのは夏場かもしれんなぁ。今も発汗は十分なのに、ちょっと毛ヅヤがボヤっとしていたから。それでもあれだけ走るということは、やっぱり能力があるんやろうね。

──ちなみに、ワンダーブレットは舌を括っていますが、その理由は?

小牧 息遣いの悪い馬とか喉がちょっと弱い馬が舌を括るんやけど、ワンダーブレットも昔から喉がちょっと弱い。

──呼吸をしやすいようにということ?

小牧 そうやね。

──レース当日はクリスマスイヴでしたが、夜はどんなふうに過ごされたんですか?

小牧 ああ、あの日の夜は、競馬関係者の忘年会でした。淨閑さんも一緒に呼んでもらってね。馬主さんもけっこうきてましたよ。

──営業するには絶好の場ですね。

小牧 それがね、僕と淨閑さん、サプライズで急に壇上に上がることになって。何も考えてなかったのに(苦笑)。

──どうやって乗り切ったんですか?

小牧 ふたり並んで挨拶をして、「来年1年、なんとか乗せてください」とお願いしました。淨閑さんは、それこそ選挙の「清き一票を!」じゃないけど(笑)、何度も「小牧太に1頭を!」って言ってくれてね。その場にいた人の印象にはすごく残ったと思う。

──いい機会でしたね。

小牧 そうやね。かなりアピールはできたんちゃうかな。

──12月24日といえば、クリスマスイヴにして加矢太さんの誕生日ですよね。

小牧 家族はみんなでいつも行っているワインバーでお祝いしたらしいよ。

──お父さんからのプレゼントは?

小牧 あげてないよ。あげたことない。

──え―ッ!? 加矢太さん、可哀想…。

小牧 まぁ僕からあげてないというだけで、たぶん僕のぶんまで嫁さんがやってくれてるよ。

──さて、来年の競馬は1月6日からスタートしますが、年末年始は何か計画されているんですか?

小牧 前にも話したけど、30日は園田競馬場で熊ちゃん(熊沢重文元騎手)とトークショーや。1時半頃からと2時40分頃からの2部制なので、お時間のある方はぜひ見にきてください。そのあとは31日まで調教に乗って、1日だけ休んで、2日からまた調教に乗りますよ。

──まさかの休みなし!?

小牧 今年は自分の体のために、ずっと仕事しておこうかなと思って。仕事といっても朝の調教だけやから。フチサンメルチャンも放牧から帰ってきたし、ヤルキゲンキフトシも年明けに使う予定やから、ずっと馬に乗っておきますわ。年末年始らしいイベントといえば、31日と1日やね。小牧家に大勢集まって大宴会や。

──すごそう(笑)。では最後に、来年に向けた抱負を。

小牧 淨閑さんがエージェントについた時点で、勝負は来年やと思っていたからね。とりあえず1勝することが目標やけど、とにかくいい年にしたいわ。読者のみなさん、今年も1年お付き合いいただき、ありがとうございました。来年は僕にとって勝負の年なので、引き続き小牧太を応援してやってください。

(文中敬称略)

当コラムの次回更新は1月9日(火)18時予定です。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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