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若い馬を表現する“緩い”の感覚とは? グランディーヴァがゲート試験合格も「まだ緩いね」

  • 2024年01月30日(火) 18時01分
太論

▲“緩い”馬は乗っていてどんな感覚?(撮影:桂伸也)


今週は、フチサンメルチャンが有田特別に登録。フルゲート14頭に25頭が登録していますが、年末からほぼ付きっ切りで調教をつけた小牧騎手としては、「なんとか入ってほしい」と祈るばかりです。

ユーザー質問はふたつ。「膝を痛めないジョギング法は?」「グルメなのは幼い頃の食生活と関係がある?」といった質問に、子供時代のエピソードを交えて答えてくれました。

(取材・文=不破由妃子)

7歳になったフチサンメルチャン、僕と一緒で元気いっぱい!


──おはようございます。

小牧 おはようございます。

──あれ? 声が変…。

小牧 昨日、久しぶりに伊藤(永二郎オーナー)さんと飲んでね。カラオケまで行ってしまって、はしゃぎ過ぎた(笑)。ふたりで「(3歳馬たちが)走ってくれたらいいね」なんて話しながら、まぁよう飲んだわ。

──そうでしたか。伊藤オーナーの馬といえば、グランディーヴァはゲート試験受かりました?

小牧 ああ、受かったよ。追い切りというか、速いところもやったみたいなんやけど、まだやっぱりね、もうひとつトモが緩いみたいで。僕も1回乗ったけど、確かにまだ緩いね。

──「緩い」という表現はよく聞きますが、乗っていてどんな感覚なのですか?

小牧 トモに力がないというか、踏み込みが弱いというか。走らせたときに、後ろから伝わってくるものが弱いというかね。

──成長に伴って解消される馬もいるし、そのままの馬もいるし。緩いまま重賞を勝ってしまう馬もいますよね。

小牧 うん。だから、走るか走らないかはまだわからない。レースに行ってみてどうかやね。

──今週はフチサンメルチャンが有田特別(2月3日・小倉10R・ダ1000m)に登録していますね。フルゲート14頭のところ、25頭が登録していて…。

小牧 どうなんやろ…。わからんねん。入るよね?

──休み明けは優先順位が高いはずなんですけど…。日曜日には、坂路でいい時計が出ていましたし、何とか入ってほしいです。

小牧 今回初めて一杯に行きました。当週はそんなにやらんでおこうと思っていたから、最終追い切りのつもりでね。終いも12秒3としっかり伸びた。

──全体時計も50秒6。時計が出ますね、メルチャンは。

小牧 いい馬場で乗ったからね。僕が勘違いしてね、時間を。

──勘違い?

小牧 うん。いつもは馬が少ないときに行くのに、日曜日はあんまり調教に乗ったことがないもんやから、時間を勘違いしてみんなと重なってしまって。その結果、一番いい時間、(馬場を整地する)ハローが入ったあとに走ることになって。でも、一番先頭で行かせてもらって、上手いこといきました。年末からかなり乗り込んだしね、なんとか入ってほしいわ。

──そうですよね。年末から付きっ切りで調教してきた。

小牧 乗ったねぇ。今年で7歳だけど、僕と一緒で元気いっぱいや。そういえば、この土日は僕も久しぶりに長い距離を走った。最後は歩いたりもしたけど、かなりの距離を走ったよ。

──どのくらい?

小牧 近江大橋を渡って、琵琶湖の湖岸を10キロくらいは走ったんちゃうかな。3月に琵琶湖マラソンがあるから、走ってる人がいっぱいいたわ。

──小牧さんもフルマラソン走れそう。

小牧 走れるとは思うけど、足を痛めたら嫌やから。42.195キロは走ったことがないからわからんけど、とにかく足を痛めて大変らしいよ。現役のうちは、仕事に差し支えたらアカンからね。

──もちろん、現役のうちはやめてください(笑)。

小牧 引退してからも嫌や(笑)。10キロ走っただけでも、けっこうな筋肉痛になるからね。

──ちょうどランニングについて質問がきてるんですよ。「50歳を過ぎてからジョギングを始めましたが、すぐに膝が痛くなりました(笑)。小牧騎手はそんなことはないと思いますが、そうならないために何か気を付けていたりするのですか?」。

小牧 あのね、膝にサポーターは必ずしてる。しないで走ったことがないからわからんけど、サポーターをするのとしないのでは違うと思うよ。僕は調教に乗るときもつけてます。あとは、無理してスピードを上げたりしないこと。かるーく、力を抜いてね。力を入れて速く走ろうとすると、絶対に負担が掛かる。

──シューズもこだわっていますよね。

小牧 もちろん。靴は大事やねんて。本当はエアロバイクが一番いいんやけどね。あれが一番、負担が掛からんと思うわ。

──以前、対談したとき、的場文男さんもおっしゃっていましたね。

小牧 そうそう。僕も1週間に1回は、調整ルームで1時間漕いでるよ。サウナスーツを着て、雑誌を読みながら。やっぱり気を紛らわせないと苦しくなるからね。汗もむっちゃ出るし、膝に負担も掛からんし、エアロバイクが一番いいと思うわ。

──では、最後に質問をもうひとつ。「小牧さんがグルメなのは、お母さんが料理上手だったとか、幼い頃の食生活と関係があるのでしょうか? 今、食育にとても興味があります。おふくろの味って何かありますか?」。

小牧 うちのおふくろは…たぶん普通やね(笑)。ずっと仕事をしていたこともあって、手の込んだ料理をする時間もなかったんちゃうかな。パッと思い浮かぶのは、オムライスとかサツマイモの天ぷらとか。おふくろの代わりに、僕が作っていたときもあったし。

──小牧さんが!? いくつくらいのときですか?

小牧 小学生の頃からカレーとか作って、弟に食べさせてたよ。

──なんていい子(涙)。

小牧 いい子やったで(笑)。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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