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【ユーザー質問】「すんなり調教師になったことには驚いた」美学を貫いた“ジョッキー・秋山真一郎”との思い出

  • 2024年02月27日(火) 18時01分
太論

▲「秋山は普段はおとなしいんやけど、飲むとおもしろいヤツでね」(撮影:桂伸也)


ガンバルフトシの復帰戦は、残念ながら16着に惨敗。とはいえ、初めての芝のレースで前走以上の行きっぷりを見せ、走り自体はだいぶ良くなっているようです。課題はやはりダイエット。体が絞れた暁には……。変わり身に期待しましょう。

そのほか、温泉施設でよく会うというボートレーサーとの交流、そして、先週がラストライドとなった秋山真一郎元騎手の話題など、内容充実の『太論』。今週も太節をお楽しみください!

(取材・文=不破由妃子)

呼ばれ方は「師匠」共通点が多いボートレーサーとまさに師弟関係に!?


──小倉の芝1800m(2月25日・小倉5R・3歳未勝利)で復帰したガンバルフトシですが、16着に終わりました。道中はいい感じで追走しているように見えたのですが…。

小牧 残念やったねぇ。やっぱりまだ太いわ。

──昨年10月の初戦から26キロ増の508キロでしたね。

小牧 先週も話したように、馬自体が大きくなっていることもあるんやけどね。成長分を差っ引いても、やっぱりもう少し絞れなアカン。芝の感じはよかったよ。

──スタートから無理せず4、5番手につけて。

小牧 うん。行きっぷり自体はすごくよかったから。返し馬の段階でやる気になっていたし、なんせ初戦とは全然違った。まぁ最後はバテてしまったけどね。もともと血統的にも1800mはどうかなと思っていたけど、やっぱりちょっと長かった。次は1400mかな。

──追い切りも含め、初戦までと比べると明らかに走りは良くなっています。

小牧 それは間違いない。まぁとにかくしっかり絞っていかなアカン。とはいえ、牧場でもしっかりやってくれたみたいやし、僕もけっこう乗り込んだんやけどなぁ。引き続き、馬の様子を見つつ、日々頑張って乗っていきますわ。

──今週はフチサンメルチャンが3月3日の西日本新聞杯に登録しています。

小牧 そうなんやけど、なんか登録頭数が一気に増えて。

──フルゲート18頭のところ、31頭が登録していますね。

小牧 運を味方につけたいところやねぇ。もうこればっかりは祈るしかない。先週は日曜日にレースがあったから、土曜日の追い切りに乗りました。調子は変わらずいいから、なんとか抽選を突破してほしいね。そうそう、グレアミラージュも帰ってきたよ。今回も調整は助手さんにお任せやけど、コンスタントに頑張ってくれる馬やから、今回も復帰が楽しみです。そういえば、仕事とは関係ないけど、おもしろい話があって。ボートレーサーの吉川昭男さん、知ってる?

──すみません、ボートはからっきし…。

小牧 あのね、50代のボート選手なんやけど、何年も前から瀬田の「ニューびわこ」っていう温泉施設で、ちょこちょこ会ってたんですわ。そうしたらこの前、僕がいつもトレーニングのついでに寄ってる京都の「梅湯」でも偶然会って。ビックリしたわ。

──行動範囲が同じ(笑)。

小牧 彼もお風呂が好きなんやろうね。前からずっと「飲みに行きましょう」って言われていて、なかなかタイミングが合わずに一度も行けてないんやけど、小林慎一郎(元騎手で、現在は調教助手として音無厩舎に所属)と仲がいいみたいで、僕もよう知っているから、彼に「一度セッティングしてくれ」って頼んだところや。吉川さんもお酒が好きみたいやし。

──近々実現しそうですね。それにしても、同じ50代でお風呂が好きで、お酒も好き。生活圏内も一緒だし、共通点がいっぱい。

小牧 知っている食べ物屋さんも、けっこう被ってたり(笑)。もうひとつ、すごく大きな共通点があって、加矢太とそう変わらない時期に息子さん(吉川晴人選手)がボートレーサーとしてデビューしてんねん。

──それは話が弾みそうですね。

小牧 そうやねん。「うちの息子もボートの選手になったんですよ」って聞いて、いろいろ話をしてね。とにかく共通点が多いんですわ。この間からは、なぜか「師匠」って呼ばれてるし(笑)。

──お酒の席が実現したら、ぜひまたお話を聞かせてください。では最後に、ユーザーからの質問を。「秋山真一郎騎手が引退されました。小牧騎手とは10歳以上離れていて、騎乗スタイルも違いますが、秋山騎手とは何か思い出がありますか?」。

小牧 秋山とは、何回か飲みに行ったことがあるよ。普段はおとなしいんやけど、飲むとおもしろいヤツでね。ジョッキーとしては、とにかく当たりが柔らかくて、上手やったよね。慌てへんから、フォームがバラバラになることもない。上手なジョッキーやったなと思う。ただ、すんなり調教師になったことにはちょっと驚いたわ。ずーっと乗っているタイプだと思っていたから。

──美学を貫いたジョッキーですよね。

小牧 ホンマにそう。秋山はね、デビューしてすぐの頃から、姫路の交流レースとかによう来てたんやわ。当時はよく、中央競馬騎手招待とかあったからね。地方のジョッキーと一緒に乗るから余計に目立ったんやけど、僕からすると、追っているのか追っていないのか…みたいな騎乗でね。それでサラッと勝つんやから、ああいう乗り方もあるんやなぁと感心して見てたわ。25年近く前の話やけど、よう覚えてるよ。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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