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プログノーシスが金鯱賞連覇 中距離に高い適性持つ血統背景を徹底解説

  • 2024年03月11日(月) 18時00分

血統で振り返るフィリーズレビュー


【Pick Up】エトヴプレ:1着

 父トゥーダーンホットは現役時代、サセックスS(英G1・芝8ハロン)など3つのG1を制し、カルティエ賞最優秀2歳牡馬、同3歳牡馬に選出されました。その母ダーレミはブエナビスタを破ってドバイシーマクラシック(首G1・芝2410m)を制覇するなどG1を3勝、2代母ダララは名馬ダルシャーンの半妹でヴェルメイユ賞(仏G1・芝2400m)の勝ち馬。世界最高レベルの良血といって差支えないでしょう。父系はドバウィ→ドバイミレニアム→シーキングザゴールド→ミスタープロスペクターとさかのぼります。

 現3歳が初年度産駒で、本馬を含めてすでに5頭の重賞勝ち馬を出しており、昨年の英愛新種牡馬ランキングではブルーポイントに次ぐ第2位。馬体のサイズは小さめですが、血統も産駒成績も素晴らしく、これから産駒の輸入が増えることが予想されます。現2歳の血統登録頭数は6頭です。

 母ナフードはファルマスS(英G1・芝8ハロン)とロウザーS(英G2・芝6ハロン)を勝った一流馬で、産駒の重賞勝ちはこれが初めてです。

 トゥーダーンホット産駒はいまのところスピードタイプが目につき、産駒が勝った7つの重賞のうち6つが7ハロン以下。エトヴプレの鞍上藤岡佑介騎手も「1400mがギリギリ」とコメントしているので、次走の桜花賞は展開に恵まれることが条件でしょう。

血統で振り返る金鯱賞


【Pick Up】プログノーシス:1着

 GII以下の芝2000m戦では6戦5勝。唯一敗れた一昨年の中日新聞杯は、1000m通過61秒9の超スローペースにもかかわらず、後方追走→外を回るという厳しい競馬だったので、4着と敗れたのは致し方ありません。この条件では安定しています。金鯱賞は2連覇。ディープインパクト産駒は同レースで7年連続連対となりました。

 チェヴァリーパークS(英G1・芝6ハロン)を勝ったヴォルダ(父オーペン)の半弟。ディープインパクト産駒の一流馬は、母がアメリカ血統主体の馬が多く、とくにノーザンファーム生産馬はその傾向が強めです。一方、社台ファームは昔から欧州志向であり、ヨーロッパ血統を抱えた母から誕生した馬が目立ちます。母ヴェルダはイギリス産馬で、母の父オブザーヴァトリー、2代母の父マークオブエスティームは、いずれもクイーンエリザベス2世S(英G1・芝8ハロン)の勝ち馬。前者はほかにイスパーン賞(仏G1・芝1850m)を、後者は英2000ギニー(G1・芝8ハロン)を制しています。

 GIレースは海外の2戦を含めて2、3、5着という成績ですが、今回のパフォーマンスを見るかぎり、いずれ壁を越えられるのではないかとの期待を抱かせます。ヨーロッパ血統をベースとしているので、多少馬場が渋っても問題ないのは強みです。

知っておきたい! 血統表でよく見る名馬


【エーピーインディ】

 プリークネスSを勝ったサマースコールの半弟にあたる良血。1歳夏、ケンタッキー州キーンランドのセリに上場され、日本人の鶴巻智徳氏が290万ドルという高値で落札しました。

 父シアトルスルー、母の父セクレタリアトはいずれも米三冠馬。母ウィークエンドサプライズは、セクレタリアト≒サーゲイロード1×3という特殊な凝縮を持っており、配合的にも際立った存在でした。

 3歳時にBCクラシック、ベルモントSなどを制して米年度代表馬に。ケンタッキーダービーとプリークネスSは挫石の影響で出走が叶いませんでしたが、もし出走していれば、能力的に三冠を達成していた可能性も十分あったと思われます。

 引退後はアメリカで種牡馬入りし、2003年と2006年に首位種牡馬の座につきました。種牡馬として成功しただけでなく、サイアーラインの伸長も目覚ましく、直系子孫から3年連続米チャンピオンサイアーのタピットが現れ、その息子フライトラインは近年のアメリカ最強馬と評価されています。日本でもシニスターミニスター、パイロ、マジェスティックウォリアーなど多くの種牡馬が輸入され、ダート競馬で成功を収めています。

 基本的にはスピードの持続力を武器とするパワー型の血統ですが、産駒のシンボリインディ、ヒシナイル、アラタマインディ、サヤカといった馬たちは日本で芝重賞を勝っており、タピット牝馬のタピッツフライは繁殖牝馬としてグランアレグリア(父ディープインパクト)を産みました。配合次第で芝競馬にも対応できます。

血統に関する疑問にズバリ回答!


「最近GIへの直行が増えてきたけど…血統面も関係ある?」

 トライアルを使わずにぶっつけ本番で成果を残す、というここ数年のトレンドは、調教技術の進歩、調教施設の充実、といった面が大きいでしょう。血統面から補足すれば、アメリカ血統が広く浸透してきたことも遠因に挙げられるのではないかと思います。

 アメリカ血統は、仕上がりが早く、気のいいタイプが多いので、総じて休み明けを苦にしません。昔の話になりますが、たとえばミスタープロスペクターやダンジグの仔は、休み明けで買うのがセオリーでした。そして、2走目に反動が出て凡走するシーンをしばしば目にしたものです。バブル期以降、アメリカ産の種牡馬、アメリカ産の繁殖牝馬が日本に大量流入し、わが国のサラブレッドに広く浸透していきました。その影響は決して小さくないだろうと思います。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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