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狙いは単勝5〜15倍ゾーン

  • 2006年07月03日(月) 23時51分
 昨年の七夕賞は、ダイワレイダースの勝利によって1番人気の連敗に終止符が打たれたレースでもあった。

 ある馬の人気ぶりを示すのに人気順を用いるのは一般的な手法だが、1.1倍の1番人気と10.0倍の2番人気、5.0倍の1番人気と5.1倍の2番人気、それぞれの関係性が同じに扱われてしまうという危なさもある。

 そこで、七夕賞について過去10年を「単勝オッズ別成績」という観点から振り返ってみると、1つの発見がある。単勝5倍以上15倍未満のゾーンに成績の山があるのだ。

 まず、単勝5倍未満について見ると、[2-2-1-12]で回収率は単41%・複47%。1番人気馬だけでなく、比較的安いオッズのついた2番人気なども低調だったことが分かる。

 一方、単勝15倍以上50倍未満はというと、[0-2-3-37]で複勝回収率が69%。

 単勝50倍以上は[0-1-1-22]で複勝回収率171%。これらは、複穴として狙って面白いことは面白いのだが、いかんせん出現頻度が低すぎる。

 大穴ゾーンの複回収率を跳ね上げたのは98年2着のタイキフラッシュ(複勝2,870円)だが、同馬はオープンで8戦連続4着以下だった7歳馬。あまりに手がかりが無さ過ぎた。

 そこで、今回本題となる5〜15倍ゾーンである。[8-5-5-33]で回収率が単144%・複103%。一撃で大きく回収率を跳ね上げることができない人気帯にしては、かなりの好内容と言えるだろう。

 10年間で51頭ということは毎年5頭前後はここにあてはまる馬がいるわけで、これだけによって本命馬が決まる訳ではない。しかし、これに加えて「前走オープン掲示板組は意外に苦戦」、「前走オープンで人気になっていた馬も苦戦」といった他の条件も加えると、軸馬が見えてくるだろう。

 ハンデ戦らしく、少しひねることを前提に予想したい七夕賞である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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