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時計は速くなるのか!?

  • 2006年07月10日(月) 23時50分
 早くも新潟の名物重賞に育ちつつあるアイビスサマーダッシュだが、今年から施行時期が前倒しされた。

 JRAの意図としては「究極のスピードレースだけに、馬場が悪くならないうちに行いたい」ということのようだが、実際問題として、施行時期が結果に及ぼす影響はどのくらいあるのだろうか?

 結論を先に言うと、意外に無いのでは…というのが私の見立てである。理由を以下に示そう。

 良馬場のレースだけを対象に3歳未勝利戦の時計を比較してみると、05年は

56.0→55.5→55.3→56.2→55.3

となっている。最初のレースは開催2週目、最後のレースは連続開催の最終週だ。
同様に04年は

56.3→56.3→56.0→55.8→55.6

03年は、

56.3→56.4→56.3→56.4→56.3

となっている。03年はほとんど時期によるタイム差が無いし、04年に至っては後半のほうが時計が速い。

 同様に500万条件の平場についても過去3年の実績を見てみよう。

05年 55.4→56.2

04年 55.5→56.5→55.9

03年 54.9→55.0→55.5

こちらのほうがまだ「使い込まれた馬場」の影響があるように見えるが、実は特別レースになると前後半を問わず時計のレベルが上がっており、馬場云々よりも出走馬のレベルのほうが走破タイムに及ぼす影響ははるかに大きい。

 今回は、登録馬のうち前走オープンで馬券に絡んだ馬がダイワメンフィスしかいないメンバー構成。前走条件戦勝ちの3頭も1000万条件から来た馬ばかりで、正直メンバーは軽い。予想外に時計が伸びない可能性もあり、スピード適性についてナーバスになりすぎる必要は無いのではと考える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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