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函館の洋芝で良さが出るのは?

  • 2006年07月24日(月) 23時50分
 私事だが、昨年から北海道文化放送(UHB)の「ドラマチック競馬」で司会を務めている。そんなわけで、今週は函館のOP特別、UHB杯について書いてみたい。

 函館といえば、独特の洋芝で時計がかかることが有名である。特に今年はビーナスラインやエリモハリアーのように、コース実績のある馬が活躍している。

 そこで、函館の芝1200mではどんな血統の馬が活躍しているのか調べてみた。対象期間は96年から今年7月17日までの10年強。良馬場のみを対象とし、2,3歳限定戦は除いてある。

 102走とサンプルは少ないが、単勝回収率が141%・複勝97%で、勝率・連対率とも平均より高いのがロベルト系だ。

 単に勝率・連対率だけならパーソロンなどの系統の方が高いのだが、こちらは回収率が単複とも60%台。本命サイドの馬しか来ていないことが分かる。

 ロベルト系と同じヘイルトゥリーズン系に属するターントゥ系も回収率は高く、中でもサンデーサイレンス系は単複とも回収率が90%となっている。

 今回の登録馬にロベルト系とSS系は各1頭。ビワタケヒデ産駒のダンスオブサロメとSS産駒のレオニダス。ともに1000万条件を勝ったばかりだが、ハンデ戦だけにいきなり通用する可能性もある。

 ただ、この2頭は函館続戦組でもあり、「他の競馬場との馬場の違い」が重大なテーマになるわけではない。そこで、クラス変動無し・前走他競馬場を条件に加えてみると、系統を問わずに穴馬の躍進が目立ち、プリンスリーギフト系(現在ではサクラバクシンオーが主流)や広義のノーザンダンサー系が穴をあけていることが分かる。

 サクラバクシンオー産駒でコース替わりというとスプリングクレタが登録しているが、長期の休養明け。それよりはノーザンダンサーの方からスナークスズラン(ダンシングブレーヴ産駒)を挙げた方が良さそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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