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函館での戦績はそのまま参考になるか?

  • 2006年08月21日(月) 23時50分
 キーンランドCに限らず、「函館の1200mと札幌の1200m」というのは馬券を買う上で難しいテーマである。

 函館の芝は独特なものがあるので、その適性に長けた馬が札幌で凡走したり、あるいはその逆が発生したりすることが予想される。しかし、現実には前走好走馬が普通にそのまま好走することも多い。

 ここは客観的な数値で見てみようということで、以下のような条件に合う馬を調べてみた。

・今の開催順になった97年以降
・前走函館芝1200m→今回札幌芝1200mと使われた馬
・中10週以上の休み明けとなる馬は除く

 本当なら未勝利戦の関係する部分は省きたかったのだが、そうするとサンプルが少なくなってしまったので入れた。

 大きなポイントはふたつ。まず、前走とクラス変動のない馬について見てみると、前走1〜3着馬の成績がほとんど変わらないことに気づく。

 それどころか、実は連対率は前走3着馬が(僅かだが)最も高い。当然のことながら、3着馬の回収値は1、2着馬のそれを大きく上回っている。

 前走1着馬だけ今回成績に未勝利戦が含まれないという点を除いてもこれは興味深い傾向で、要は馬券に絡むレベルの馬はちょっとしたアヤで前後関係が入れ替わるということなのだろう。となると、前走惜敗組を狙うという選択肢が出てくる。

 ふたつめのポイントは、昇級初戦の馬が強いこと。両場所をまたがって昇級戦の馬は、勝率が全馬平均に比べてかなり高く、単勝回収値もプラスになっている。500、1000万条件での話が中心なので重賞で参考になるかどうかは分からないが、いわゆる上がり馬タイプには十分な注意を払っておいたほうがよいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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