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外枠有利は昔の話

  • 2006年08月28日(月) 23時50分
 今年は小倉芝の傾向が変わったとあちこちで囁かれているが、データで振り返って見ると、実は傾向が変わってからもう数年が経過しているようだ。

 それを最も顕著に表しているのが、馬場が荒れたときの芝1200mである。小倉芝1200mは俗に言う「外枠まつり」が発生しやすく、穴党にとって格好の狙い目になっていた。

 例として、96〜05年(98年は開催なし)における、開催途中の「Aコース最終週」を見てみよう。1年だけCコースを絡めた年があるのだが、それも含めて「Bコース使用に変わる直前週」を対象にしている。

 この条件に合う芝1200mのレースは同期間に62レース行われた。枠番別に成績を比較すると、連対率ベースでは各枠ともさほど差が無いのだが、回収率では8枠が単勝174%・複勝137%と抜けている。また、5,6,7枠も単勝回収率がプラスとなっており、外枠から単穴が多く出ていたことが分かる。

 ところが、さらに精査すると、外枠からよく穴が出ていたのは99〜01年で、02年以降05年までだと外枠馬の成績はかなり悪い。枠番でいう6枠より外は連対率・回収率ともに標準を下回っている。

 それを裏づけるように06年のAコース最終週も外枠から馬券に絡んだのは人気馬ばかりで、穴はむしろ内枠から出た。

 同様に、小倉連続開催の最終週、つまりは今週に相当する週の傾向を見てみよう。

 こちらも99〜01年あたりは外枠まつりが発生しているのだが、02年以降は枠番ごとで有意な差はない。内が良いとまでは言えないが、真ん中あたりが無難なようだ。

 実際の馬場作りとして今年から新しいことをした部分もあるのだろうが、馬券上の特徴として外枠の良さがなくなっているのは今に始まったことではないということだ。ラチ沿いが使い込まれているのは事実なので内が良いとは言えないが、外枠の多頭数ボックスを買うような昔のやり方は通用しないだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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