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SS系、数の論理は通じるか?

  • 2006年10月09日(月) 23時53分
 過去秋華賞に出走したサンデーサイレンス系の馬は、その成績が[2-2-0-59]となっている。全馬を均等買いした場合の回収率は単勝9%・複勝7%だ。

 一応連対馬が4頭いながらも回収率がひとケタになっているのは、その4頭がいずれも人気馬だったからである。

01年 ローズバド
 2番人気2着
03年 スティルインラブ
 2番人気1着
03年 アドマイヤグルーヴ
 1番人気2着
05年 エアメサイア
 2番人気1着

 これがまだ「1、2番人気ならかなりの割合で来る」というならいいのだが、1番人気ではトゥザヴィクトリーとダンスインザムードが、2番人気ではチアズグレイスとシャイニンルビーが4着以下に飛んでいる。

 一方、今年の秋華賞はSS系の登録馬がやたらと多くなっている。

 SS直仔が4頭、アドマイヤベガ産駒が3頭、アグネスタキオン、スペシャルウィーク、ステイゴールド、フジキセキ、ロイヤルタッチが各1頭。総勢12頭だ。登録全馬のほぼ半分にあたる。

 中には出走ラインに満たない馬もいるが、それでも普通に買い目を組むと、SS系が3頭や4頭は入ってきそうな状況だ。

 しかし、先述したように、過去10年の実績ではSS系はほとんど機能していないのである。1〜2番人気ならという条件を付けても、カワカミプリンセスがいる今年はアドマイヤキッスぐらいしか条件をクリアできないだろう。

 一方で、これだけ頭数がいれば数の論理でなんとかなると考える手もある。特に人気サイドのSS系を積極的に取りたい本命党はそう考えたいところだろう。

 反対に穴党にとっては、「SS系が来ても1頭」ならば買い目は絞れるし波乱も期待できるということになる。数の論理がどこまで通用するかが今年の秋華賞ではポイントになりそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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