スマートフォン版へ

若い馬優勢の天皇賞秋

  • 2006年10月23日(月) 23時51分
 単純に過去10年のデータで見ると、天皇賞・秋は3、4歳馬が強く、高齢になるほど勝率・連対率が下がる傾向にあるレースだ。

 その一方で、特定の1年を取るとその時点での世代格差があるわけで、3、4歳世代が強いなら文句のない話になるが、5、6歳世代が他のレースで強いとなると話はややこしくなってくる。

 とりあえず今回は、やや乱暴な話だが今年行われた平地GI・GIIレース(敢えてダートも入れてみた)を対象に、年齢別成績を取ってみた。

 勝率、連対率ともにトップは4歳世代で、5歳→6歳→7歳と下がっていく。3歳もここまで連対はアドマイヤムーンの札幌記念のみで、4歳よりは劣勢だ。

 なら4歳世代買うべしでいいじゃないか……と結論付ける前に、気がつく人もいるだろう。ちょっと待てよ、その成績とはディープインパクトという、世代の中で1頭だけ規格外な強さを持った馬が入っているんじゃないか? と。

 そうなのである。さらに言うなら、死亡してしまったラインクラフトも含まれている。ではこの2頭を除いてみるとどうか。
(4-5-6-40)で勝率7.3%、連対率16.4%。これだと5歳世代より勝率はやや上だが連対率はやや下、総合的に見てほぼ五分という結論になる。

 総合的に五分ならレースの傾向として若馬有利なのだから4歳重視だろう、と考えることができるが、今回登録の4歳馬はディープインパクト以外いずれも前走で馬券の対象になっていない馬で、「目分量」としては本気で推せない。また、3歳馬として唯一の古馬越えを果たしているアドマイヤムーンも本人が古馬越えを果たしている以上、同期の不振とごっちゃにしていいのかという疑問が残る。

 データ派としては苦しいところだが、アドマイヤムーンを本命に推すか、ヒモ穴用に4歳馬のどれかをピックアップするか、どちらかの選択肢を取りたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング