単純に過去10年のデータで見ると、天皇賞・秋は3、4歳馬が強く、高齢になるほど勝率・連対率が下がる傾向にあるレースだ。
その一方で、特定の1年を取るとその時点での世代格差があるわけで、3、4歳世代が強いなら文句のない話になるが、5、6歳世代が他のレースで強いとなると話はややこしくなってくる。
とりあえず今回は、やや乱暴な話だが今年行われた平地GI・GIIレース(敢えてダートも入れてみた)を対象に、年齢別成績を取ってみた。
勝率、連対率ともにトップは4歳世代で、5歳→6歳→7歳と下がっていく。3歳もここまで連対はアドマイヤムーンの札幌記念のみで、4歳よりは劣勢だ。
なら4歳世代買うべしでいいじゃないか……と結論付ける前に、気がつく人もいるだろう。ちょっと待てよ、その成績とはディープインパクトという、世代の中で1頭だけ規格外な強さを持った馬が入っているんじゃないか? と。
そうなのである。さらに言うなら、死亡してしまったラインクラフトも含まれている。ではこの2頭を除いてみるとどうか。
(4-5-6-40)で勝率7.3%、連対率16.4%。これだと5歳世代より勝率はやや上だが連対率はやや下、総合的に見てほぼ五分という結論になる。
総合的に五分ならレースの傾向として若馬有利なのだから4歳重視だろう、と考えることができるが、今回登録の4歳馬はディープインパクト以外いずれも前走で馬券の対象になっていない馬で、「目分量」としては本気で推せない。また、3歳馬として唯一の古馬越えを果たしているアドマイヤムーンも本人が古馬越えを果たしている以上、同期の不振とごっちゃにしていいのかという疑問が残る。
データ派としては苦しいところだが、アドマイヤムーンを本命に推すか、ヒモ穴用に4歳馬のどれかをピックアップするか、どちらかの選択肢を取りたい。