▲「相談役 柴田善臣」は今回が最終回(撮影:下野雄規)
JRAが誇る最年長ジョッキーで、日本騎手クラブの“相談役”を務める柴田善臣騎手。ファンからも競馬関係者からも信頼の厚い善臣騎手が“相談役”として、皆様のお悩みや質問に、自らの体験談を織り交ぜながら答えていくリレーコラムです。
最終回となる今回は、日本騎手クラブ副会長・和田竜二騎手への回答編。今後の騎手クラブを支えていくため、他団体との折衝における心構えを相談役が伝授します。
そして最後はこれまでの連載を振り返っての総括。計8回の回答を終えた相談役は今、何を思うのでしょうか…?
(構成=netkeiba編集部)
相談者の和田竜二騎手は「研究熱心なイメージ」
──「相談役 柴田善臣」も今回で最終回。最後の相談者は日本騎手クラブの副会長・和田竜二騎手です。普段はどのような関わりがありますか?
相談役 さすがに美浦と栗東で物理的な距離の遠さがあるし、同じ競馬場で乗る機会も少ないからね。騎手クラブの総会とか、役員としてのつながりが主かな。
──和田騎手の印象は?
相談役 すごく面白そうだよね。一緒に遊んだら気が合いそうな気はする。どんな弾け方をするのか興味があるよ(笑)
──ジョッキーとしては?
相談役 研究熱心なイメージかな。そして自分の気持ちをうまくコントロールできている印象もある。
──和田騎手と言えばデビュー後わずか数年でテイエムオペラオーという名馬と出会い、大活躍しましたね。
▲和田竜二騎手とのコンビでGIを7勝したテイエムオペラオー(撮影:下野雄規)
相談役 うん。多分あの馬と出会ったことで、彼自身が育ててもらった部分も大きいんじゃないかな。レースに対するプレッシャーとか、悩みとか、色々あったと思うけど、一緒に乗り越えてきたわけじゃない? そういう経験がさっき言った“自分の気持ちをコントロールできる”姿勢につながったように思うな。
──和田騎手から思い出話として、岩元厩舎のミヤジタイガ(2013年の皐月賞に出走)に乗るために栗東に駆けつけたエピソードが挙がりました。
相談役 そんなこともあったねぇ。はるばる栗東まで調教に行ったのにさ、皐月賞当日に自分が腰を痛めて(田中)勝春に乗り替わりになっちゃったんだよ(苦笑)
──和田騎手の師匠でもある岩元市三調教師とはどのような先生でしたか?
▲和田騎手の師匠でもある岩元市三調教師(C)netkeiba.com
相談役 怖さがあったよね。とてもマジメな先生で、自分のような後輩にも丁寧な言葉遣いですごく優しいの。でも不思議とこちらの背筋がビシッとしてしまうようなオーラがあったなぁ…。
そうそう、そんな岩元先生が信頼して乗せて育てたジョッキーだから、和田君もマジメでいいジョッキーなんだろうなって印象もあったよね。
──相談役のレースではキングヘイローの高松宮記念(2000年)が印象に残っているそうです