▲赤見千尋さんの推薦は競馬マンガの名作『優駿たちの蹄跡 スーパーホース列伝』
netkeibaの人気コラムニストたちが、競馬ビギナーさんに「ぜひ読んでもらいたい!」という競馬書籍を紹介するこの企画。2人目の登場は「おじゃ馬します!」「競馬の職人」でお馴染みの赤見千尋さんです。
名馬を通して競馬の光と影が描かれたノンフィクション
優駿たちの蹄跡は、やまさき先生が何度も取材を重ね、ほぼノンフィクションで描かれている作品です。
テンポイント、シンザン、オグリキャップ、サイレンススズカ、スペシャルウィーク、ホクトベガといった名馬たちの、他ではスポットライトが当たらなかったエピソードが登場します。
わたしが一番引き込まれたのは、サイレンススズカが予後不良となってしまったあと、担当厩務員さんがメンコを握りしめてサイレンススズカの乗っていない馬運車で帰っていくお話。レースや成績だけではなく、その裏側にある馬と人の絆を知ることができます。
さらに、競馬の仕組みや内情も忠実に描かれています。
例えば、ワコーチカコの瞳の変化から競走馬が極度のストレスを抱えていること、ヒカルイマイの一生を通してサラブレッドとサラ系ではまったく違うこと、タマモクロスの回では生産牧場の苦しい事情を知ることができるし、名牝テイタニアの回では引退後に生まれ故郷に帰ることがいかに難しいかがわかります。
競馬の美しい部分だけではなく、陰に隠れた厳しい現実を知ることで、より深く競走馬を愛するきっかけになった作品です。
■タイトル:優駿たちの蹄跡 スーパーホース列伝(1巻〜15巻)
■著者:やまさき拓味
■出版社:集英社
■発行日:1995年(1巻)〜2003年(15巻)
■価格:505円(1冊、税別)
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