▲角居厩舎ひと筋で調教助手時代を過ごした辻野調教師 (撮影:大恵陽子)
今月いっぱいで引退を迎える角居調教師の活躍をたどる特集。第二部では、角居調教師に縁の深い競馬関係者6名が登場し、“角居勝彦のスゴさ”を証言します。
今回は辻野泰之調教師。角居厩舎ひと筋で調教助手時代を過ごし、来月からはキセキやワイドファラオを師匠から引き継いで厩舎を開業します。日々の仕事や「角居セミナー」と呼ばれる勉強会を通じ、13年にわたって間近で感じた“角居勝彦のスゴさ”とは。
(取材・構成=大恵陽子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
【第一部】名トレーナー誕生秘話『角居勝彦物語』(2/11〜2/16)
【第二部】関係者たちが証言“角居勝彦のスゴさ”(2/17〜2/24)
【第三部】引退直前、角居調教師からのラストメッセージ(2/25〜2/26)
日本の馬づくりの底上げを目指し
――辻野調教師が角居厩舎に入ったのは2006年10月。翌月にはデルタブルースがメルボルンCを制覇するというタイミングだったんですね。
辻野 そうなんです。とんでもないところに来ちゃったな、という気持ちもありました(笑)。デルタブルースの菊花賞(2004年)でGI初制覇を果たし、シーザリオが日米オークス(2005年)を勝ち、「チーム角居」というブランドが出来あがってきたタイミングだったかなと思います。角居調教師のもとでやれるというのは不安もありましたが、楽しみの方が大きかったです。
――実際に角居厩舎で日々を過ごして、どうでしたか?
辻野 角居調教師の「馬づくりは人づくりから」という理念を聞いたり、実際に身近で感じさせてもらいました。勉強会という形で角居調教師がいろんな人に「馬づくりとは何か」というのを教えていたんです。